農家紹介

農産直売所「あぜみち」にご提供いただいている農家さんや、あぜみちで取り扱っている季節の野菜を使ってくれているお店のご紹介です。

お知りになりたい農家さんを選んで下さい。

農人たち 宮本暢常さん生で食べられる野菜を求めて

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宇都宮市北部に畑を持つ宮本さん。屈託のない笑顔と土の似合う姿からは想像が付かないが、実は元IT企業経営者。実体のないものを売ることに疑問を抱き、故郷で見つけた生きる幸せが農業だった。人工的なストレスや、仕事による生活の犠牲と向き合い続けてきたことから、野菜には極力ストレスを与えずに育てようと取り組む。その傍ら“誰かの犠牲の上に成り立つ農業”からの脱却を目指し、一人ではできない農業という仕事を共にする人々でお互いに助け合い、高めあっていきたいと設立したのが、農業ネットワーク「農人たち」だ。
 親戚である先輩農家が試行錯誤を繰り返し、病害虫に悩まされながらも有機肥料100%にこだわって微生物ととも一からゆっくり育んできた土壌。これを礎に、現在はアスパラガスやニンニク、ネギなどを栽培しているが、この土壌で育つ野菜の出来にはある共通点がある。やわらかく、甘みがあり、クセがないということだ。そんな土壌で生まれた「サラダ春菊」。春菊といえば鍋の具、というイメージとは異なり、生でもおいしく食べられるほどの瑞々しさとクセの少なさが特徴だ。驚いたことに、品種は一般的に売られている春菊と同じ。違いを生むのは、長年育まれてきた“土壌が蓄えた力”なのだ。「農人たち」の畑はまだまだ発展途上。これからこの土壌でどんな野菜が生まれてくるのか。それもまた楽しみだ。。

農人たちのサラダ春菊
 冬(通年栽培)
クセが少なく生でも食べられるので、
アレンジのバリエーションが広がる。もちろん鍋に入れてもおいしく食べられる。

石川いちご園 石川将樹さん毎年新人のつもりで取り組んでいます

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田園風景に囲まれた閑静な場所に広がるイチゴのビニールハウス。今回の「石川いちご園」は那須烏山市にある。
イチゴ栽培に関わって4年になる石川さん。以前は市場に従事し、流通に関するノウハウを得ての独立だった。その経験から「市場などの流通だけに頼ってはマズイと思いました。自分でもいろいろ模索したい」と、思いを話す。「あぜみち」のような直売所での販売はもちろん、自社の敷地で行われる直売、イチゴ狩りなど、消費者との接点も多く、常にアンテナを張り巡らす。そんな石川さんをサポートするのは、同級生の綱川さん。二人とも32歳という若さだ。そんな二人のイチゴ栽培は「毎年新人のつもりでやります。自然を相手にしている限り、昨年通りにはいかないので、新しい気持ちで取り組むんです」と語る。モットーを聞くと「イチゴに無理をさせずに育てることですね。自然の力で頑張ってもらって、そのサポートをする感じです」と話してくれた。直接声が聞けるのが楽しいという「石川いちご園」の直売は12月から5月一杯までを予定している。「あぜみち」でも購入できるが、生産者である石川さんたちと直接交流しながら、手間ひまかけたその味を堪能するのもまた楽しめそうだ。

石川さんのイチゴ
 冬季(品種により夏季も)
冬は栃木が誇るとちおとめを収穫。夏はなつおとめを出荷している。

シイタケ農家 大久保悟さん農薬を使わないところに惹かれたんです

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さくら市でシイタケ農家を営む大久保さん。長髪を束ね、首もとにヘッドホンをかけるそのルックスは、“農家らしかぬ”雰囲気。それもそのはず、シイタケ栽培の傍ら、敷地には音楽スタジオを持ち、自らも演奏やエンジニアとして活動を行う。
 そんな経歴を持つ大久保さんがシイタケ栽培を始めたのは、2006年のこと。脱サラ後のことだ。「温度管理ができる温室を造るなど、設備投資は大変でしたね」と当時を振り返る。農薬や化学肥料を使わずに、肥料だけで栽培することに惹かれたというシイタケ栽培。菌の状態ではまるで生物のようで、生えてくればそれは植物のよう。そんな特殊な生育状況もまたおもしろいという。月の満ち欠けや気圧の変化にも生育に影響を受けるシイタケだが、大久保さんは温室でモーツァルトをかけるなど、独自の工夫も行う。「音楽で生育に良い影響があるといいなと思っています」。
 そんな大久保さんの今後の目標はさらなる品質向上。大久保さんのシイタケは、1本ずつが凛として、大ぶり。傘に厚みがあり、芳醇な香りがする。「あぜみち」では、高い鮮度のまま店頭に並ぶので、その味を存分に堪能できるはずだ。「パスタなどは最高に合います。ぜひお試しください」と大久保さんは語る。

大久保さんのシイタケ
 春頃、秋頃
大久保さんの農園では徹底した温度管理のもと通年栽培され、食卓に並ぶ。

市村農園 市村一則さんとにかく品質を下げたくないんです

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那須塩原市の温泉街を抜け、山道を走ること約20分。周囲を山々に囲まれた、のどかな高原に市村さんたちの農園がある。広大な敷地は、7~8町歩もあり、ここで大根、ホウレンソウ、ベビーリーフ、春菊、ニンニクを栽培している。中心となるのは兄である一則さんと奥様のさやかさん、弟の勇男さん。従業員の中には、自身も農家でありながら、市村さんのもとで学ぶ人も在籍している。
 この地は戦後に開拓地として開かれ、今では市村さんを含め4軒の高原大根農家が暮らしている。今回紹介する大根を主に担当するのは弟の勇男さんだ。品質に徹底的にこだわり、少しでも納得がいかなければ出荷をしない。「とにかく品質を下げたくないんです。損得でやっているのではなく、喜んでくれる人のためにやっているので」と、その想いは固い。「あぜみち」でも入荷時はあっという間に売れてしまう勇男さんの高原大根は、寒暖差のある環境での生育や、土の微生物を活かす栽培方法で、きめが細かく、みずみずしくて甘みがあるのが特徴。 厚めに切っても、煮込めば箸で簡単に崩れるほどやわらかな食感となる。「大根は年に1回しか作付けできないので、リスクはありますが、美味しいという評判を聞くとうれしくなりますね」と、笑顔で語る。悠々と育つ高原大根は、これから12月初頭まで収穫の時期となる。少しずつ「あぜみち」でも並び始めるので、その味を家庭で試してみては。

市村農園の大根
 秋口~冬期 ※品種により異なる
市村農園で栽培される大根は高原大根と呼ばれる。

阿部梨園 阿部英生さん守りながら変えていく

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2.2ヘクタールの梨農園を運営する阿部さん。園名が記された看板には「守りながら変えていく」という阿部さんならではのポリシーが刻まれている。
 もともとは祖父が開いた農園。祖父が植えた苗は大きく育ち、やがて父親がさらに広げていった。阿部さん自身は学校を卒業後、父親に従事。その時の様子を「とにかく大変だった」と語る。しかし意外にも代替わりは早く、3年後には阿部さん自身が運営を任される。「そこからはいろいろ試行錯誤でした。先生と呼べる方のもとに通い、さまざまなことを学びました。でもそこから一気におもしろいと感じるようになったんです」と振り返る。学んだことはとにかく実践。当時から自らを突き動かしてきたのは“ハングリー精神”だという。「祖父から続く農園、昔から大切にしているものはそのまま大切にしたいです。ずっとこだわってきたのは堆肥などです。でも新しい取り組みは、どんどんチャレンジしていきたいと思っています」。冒頭と重なる、阿部さんのポリシーだ。手間をかける栽培方法も、すべては美味しい梨を提供したいからこそ。その証しに、阿部農園で収穫された梨は、ほとんど直売所で売れてしまう。決して有利な立地とは言えない場所にあるが、評判が評判を呼び、次々と客がやってくる。「真面目に頑張れば報われるんだと思いました」。そう語る阿部さんのハングリー精神、チャレンジ精神は尽きることが無さそうだ。

阿部梨園の梨
 夏~秋頃 ※品種により異なる
阿部農園では主に8つの品種を栽培。それぞれ味や香りに異なる特徴がある。

畑市場-はるいちば- 山崎章仁さん農家だって楽しく仕事がしたい

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宇都宮市若松原の住宅街に広がる90アールの広大な畑。ここで年間約80品目もの野菜を作る山崎さん。この時期はトマト、ピーマン、キュウリ、ズッキーニ、オクラの収穫で大忙し。休む暇もなく野菜と向き合う。
 「もともとはシステムエンジニアとして働いていました。SEを辞め、沖縄で生活していた際に、サトウキビ農家の手伝いをしたのがきっかけで、農業の世界に憧れを抱くようになりました」と、農家として歩むきっかけを語ってくれた。当時は周りからの反対や、できないだろうと言われたりしながらも、アドバイスを貰ったり、独学で栽培について情報を収集。さまざまな品種の野菜栽培に挑戦した。ここまで多くの品種を栽培することに関しては「自分が食べるのに、種類が少ないと飽きちゃう(笑)。楽しく仕事がしたいので」と実に明快な回答。多品種少量生産で栽培する農家は少ないが、さまざまな素材を必要とするレストランからは重宝される。また街中で栽培するため、高い鮮度のまま厨房で調理される。「身体に入れるものだからこそ、化学肥料は使っていません。これからは、レストラン業界に“はるいちば有り”と言われるくらいになりたいです」と将来への展望を語ってくれた。今回紹介するナスは「はるいちば」では6つの品種を栽培。色、形もさまざまで、調理のしがいもありそう。「あぜみち」でも販売されているので、ぜひご賞味を。

畑市場のナス
 夏
品種により形状や色が異なる。一般的には中長ナスが数多く流通している。

高橋ファーム 高橋直樹さんズッキーニなら高橋さんと言われたい

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宇都宮市内でもめずらしい、ズッキーニ農家・高橋さん。宇都宮市川俣町に構える畑では、6月中に収穫のピークを向かえ、7月上旬まで続くそうだ。90アールもの畑やハウスには、青々とたくましく育ったズッキーニが、葉と茎の間から姿を覗かせている。
 もともとサラリーマンをしていた高橋さん。いわゆる“脱サラ”での起業だが、その理由を「サラリーマン時代に、一部農産品を扱う仕事をしていました。生産者の方々と話すうちに、農業っていいなと思うようになりました」と語る。結婚を機に一念発起、退職して農業大学校に通いながら、ニラ農家に従事。卒業後は学校時代の知人に、土地を借り、念願の自分の農園を開いた。当初10アールだった畑は、今では90アールまで拡大。先述の知人からのサポートもあり、着々と規模を広げてきた。
 ズッキーニは農協への出荷を行う傍ら、「あぜみち」にも自ら持ち込み、販売。「お客さんと直接お話しができるのが一番楽しい」とやりがいを感じる一方「自然と向き合う仕事なので、難しさはあります。ズッキーニは風に弱く、特に台風は痛手となります」とその難しさを語る。「一年、二年目は苦労しましたが、ようやく軌道に乗ってきました。ズッキーニなら高橋さん、と言われるようになりたいです」と将来への展望も大きい。食卓を支える32歳の若き農家。これからもその挑戦は続く。

高橋ファームのズッキーニ
 夏
品種により、緑や黄色のものがある。水分が多く、カロリーが低い。カリウムを多く含む。

大根田トマト農園 大根田勝さん自然に左右され、やりがいがある

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宇都宮市上籠谷、のどかな田園風景が広がる一帯で、両親と共にトマト農園を営む大根田さん。複数あるハウスの総面積は33アール。この時期は出荷に向け、連日収穫に励み、多忙な毎日を送る。
 早くからトマト農家を志していたという大根田さん。農業大学校卒業後は、両親が営んでいる農園に従事し、今に至る。日々の収穫量は一日に3,000個以上で、青い実の状態で収穫し、店頭に並ぶ頃には、真っ赤なトマトに仕上がる。また、収穫時に真っ赤に熟したトマトは「あぜみち」で販売をしている。「病気はもちろん、水分、温度の管理に一番気を配ります」と大根田さん。「桃太郎」という品種を育てているが、水分量、温度がしっかり管理されてこそ、大きさ、甘みのバランス取れたものが実る。「管理は重要ですが、天候など自然環境に左右されます。そこが難しさでもあり、魅力です。やりがいを感じます」と、トマト作りの醍醐味を語ってくれた。この時期の“春トマト”の収穫は6月下旬頃まで。その後8月下旬からは抑制栽培されたトマトが11月上旬頃まで続く。
 今後は葉に二酸化炭素をよりよく吸収させ、自然の摂理に従い、光合成をしっかり行う新たな栽培方法にチャレンジしたいと語る。しっかりとした実が育つのだそう。現在31歳、若き農家のトマトへの愛情は深く、挑戦もまだまだ続く。私たちの食卓を支えるヒーローを引き続き応援していきたい。

大根田トマト農園のトマト
 春~初夏、秋~初冬
ビタミンC、リコピンが豊富で栄養価が高い。サラダはもちろん料理での活用の幅も広い。

AKI農園 清水彰浩さん自然の中で強く育った野菜はおいしい

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清水さんが作る野菜は、化学農薬・肥料を一切使わない有機農薬で育てられたもの。その野菜作りのルーツは大学時代に遡る。農業について学ぶ中で、那須塩原市にあるアジア学院でボランティアとして従事し、そこで出会ったのが有機農業だ。堆肥は自然由来のものを使い、環境や生育状況に合わせて量やタイミングを調整する作業におもしろさを感じたそう。自然と共存する意義と大切さを学ぶきっかけになった。以降は青年海外協力隊としてドミニカ共和国で有機農業の普及に務め、帰国後は有機農業で知られる神奈川県「相原農場」で働きながら、自らの農園を持つため、研修を受けた。  ハウスを覗くと水菜、チンゲン菜、小松菜、春菊、カブが伸びている。化学肥料に頼らないため、一般的に流通する野菜よりも薄く青みがかった色で、一見すると小ぶりながらも、力強い。野菜本来が持つ自然の力で育つため、甘みや味が濃く、凜とした澄み切った味わいがある。「野菜は自分で生きる力を持っている。自然の中で強く育った野菜はやはりおいしいです」と語る。「Nukumori」では小松菜を使い、ジュースとして提供される。野菜を主役にした料理に定評がある同店。「AKI農園」の野菜作りを応援する。また旬の味は「野菜セット」として、個人宅への配送販売や単品は「農産直売所あぜみち」でも購入ができる。家庭でもその味を試してみては。

AKI農園の小松菜
 晩秋~初春
 ビタミンAが豊富で、鉄分などのミネラルもたっぷり。冬にも強いので、通年栽培される。