2015年4月
大久保農園
手間暇かけても、おいしいものを作りたい
宇都宮市東岡本に複数のハウスを構える大久保さん。ご夫婦、そして奥さんの母親と一緒にアスパラガスの栽培を行っている。大久保さんは元銀行マン。農家に転身したきっかけを「結婚後、妻の実家で農業をやるという話しになり、自分も手伝ってみたらおもしろくて」と話す。もちろん、楽しいだけではない。大久保さんは有機肥料のみを使い、土作りからこだわる。冬季には、ハウス内の残渣を掻き出して、火で焼いて殺菌を行う。殺菌剤を使えば簡単に済ませられる行程だが、それではおいしいアスパラガスは作れないという。外からの病気を遮断するため、靴やハサミは都度洗うなど、細心の注意を払う。「当然ですが、アスパラガスは生き物です。呼吸もするし、喉も渇く。改めて育てることの難しさを実感します」。ここまで手間暇かけて育てるのは、アスパラガスを購入してくれるユーザーからの信頼、そして使命感から。真面目な大久保さんの栽培は、レストランからも高い評価を得ている。 約30度に保たれたハウス内では、青々としたアスパラガスが天に向かって伸びている。表面の白いブルーム(※)は、新鮮である証し。大久保さんの太いアスパラガスは、根本までやらかく、自然で豊かな甘みが特徴だ。 ※ブルーム…果物や野菜の表面にある白い粉状のもの。新鮮な果実に見られ、自然に分泌される天然物質。
大久保農園●おおくぼのうえん
宇都宮市東岡本でアスパラガス農家を営む。
太くて甘く、「あぜみち」はもちろん、レストランからも高評価。
「大久保農園」のアスパラガス
旬/春~秋(通年栽培)
サラダに入れたり、ソテーしたりと、主役級の存在感がある野菜。
グリーンアスパラはミネラルやビタミンCが豊富。
レストラン シェ イノセ
* TSUNA-GU 店
〒329-1104 宇都宮市下岡本町4564-1
- 電話:
- 028-673-9224
- open:
- 11:30~15:00(L.O./13:30)
18:00~22:00(L.O./20:00) - 休:
- 水曜、第3火曜(ほか不定休有り)
- 駐:
- 有り
* TSUNA-GU グルメ
アスパラガスのシャルロット
素材の味が引き立たたせた美しい一皿に昇華
大久保さんのアスパラガスを仕入れて約5年。さまざまな料理に使用。凝縮した甘み、やわらかい歯触りが特徴だ。オマールエビをカットした茎で囲み、コンソメゼリーで固めた一品。パプリカソースでいただく。
Shop
関口肉店の和豚もちぶた
有限会社関口肉店 宇都宮市
〒320-0011
宇都宮市富士見が丘2-7-2
- 電話:
- 028-622-7620
栃木で育った銘柄豚高い赤身と脂身が特徴
県内6ヵ所の養豚場で飼育された「和豚もちぶた」を使用。真空パックせずに流通するので、くさみが無く鮮度も高い。肉質、脂も申し分無しと猪瀬シェフは語る。ロースト、ソテーなど調理方法もさまざま。主にランチメニューでお目見えする。また、自家製で生ハムやロースハムを作ることもある。
櫛毛農園のトマト
櫛毛園芸 真岡市
〒321-4324
栃木県真岡市西沼504-1
- 電話:
- 0285-82-1221
フレッシュなトマトは水分、うまみたっぷり
週一のペースで仕入れるトマトは真岡市の農園から。水分やうまみが詰まったフレッシュなものを使う。「生産者の顔が見えるものはやはり安心です」とシェフ。ベースとなるソース作りや細かくカットして盛り付けの一つとしてなど、さまざまな料理に使用。夏と冬で最適な品種に切り替わるのもポイント。
青々としたクレソンは皿に彩りを与える
青々としたクレソンは、盛り付けに華を添える存在。しっかりとした食感と美しい彩りは新鮮な証し。栄養も豊富だ。日光連山の伏流水を利用し、栃木の恵まれた自然の中で栽培されている。冬季のものは糖度が高く、自然な甘みがあるので、店ではスープに調理して提供されることもある。