TSUNA-GARU-TOCHIGI

食べる・見る・買う…何気ない営みの中にも、実は栃木の良さがいっぱい。生産者、農作物など普段は裏方であるもう一人のヒーローを紐解くことで「人」の繋がりが見えてくる。

2016年3月

高橋美月


「種から芽が出るときがうれしい」

 見渡す限り田畑が広がり、遠くの山々を望むのどかな場所。ここでさまざま作物を育てている高橋さん。元は父親が始めた花木を栽培していたが、今は高橋さんが主体となり、野菜の栽培に取り組んでいる。「子どものころから手伝いをしていました。種から芽が出るときがうれしくて」と自身を振り返る。 コニファーや鉢花を生産しつつ、直売やネット通販を手がけてきたが、徐々に野菜の生産にシフト。男性がリードする印象のある農家だが、持ち前のバイタリティで突き進んでいる。「例えば肥料のことなど、自信のないことも多いんですが、周りに教えてもらいながら。若い農家たちのネットワークもあるので心強い」。この時期は菊芋が収穫を迎えていたが、春に向けてルッコラ、チコリー、レタスなども栽培。めずらしい品種にも取り組む。「あまり見かけない西洋野菜も育ててみたいです。めずらしい分、栽培に苦労することもあるんですが(笑)」。今年はさらにイタリアンナス、フェンネルなどにも挑戦していきたいと意気込みを話す。女性ならではの視点でつくる野菜は好評で、「あぜみち」はもちろん、「道の駅うつのみや ろまんちっく村」でも購入できる。「失敗することもありますが、周りに教わりながらやっています。もっとマニアックな野菜も育てたいですね」と語るその姿は、希望に満ちている。

Information

高橋美月●たかはしみづき

memo

宇都宮市石那田町で野菜を生産。前身は「花工房」。高橋さんの育てた野菜は「あぜみち」「道の駅うつのみや ろまんちっく村」で販売。

土の中で育った菊芋。寒い中、一つずつ土から掘り起こす。

高橋さんの菊芋

旬/冬。

ショウガのような見た目。キク科ヒマワリ属。根の部分が食用となる。

Vegetable Kichen Sante

* TSUNA-GU 店

Information

〒320-0856 宇都宮市砥上町1085-2

電話:
028-648-9831
営業時間:
AM11:30 ~ PM3:00(L.O. / PM2:00)、
     PM6:00 ~ PM9:30(L.O. / PM8:30)
http://www.sante831.jp/
休:
水曜、火曜ディナー(他臨時休業有り)

* TSUNA-GU グルメ

菊芋の和風マリネ

食感はそのままに 食べやすくアレンジ

 シンプルにしょう油、酢、油に漬け込む。栄養価は高いが、クセのある皮をあえて剥き、誰にでも食べやすいよう配慮。軽く湯通ししているだけなので、素材の食感がそのまま楽しめる。前菜としてお目見えする一品。

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Shop

ヤヤキタ農園の【ホウレンソウ】

那珂川町 ヤヤキタ農園

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〒324-0608
那珂川町健武1496
http://www.yayakita.com

有機栽培で育った野菜は シャキッと鮮度が高い

 シェフの同級生というヤヤキタ農園のご主人。肥料も抑えめに、那須の大自然のもと、有機農法で野菜作りを行っている。「低炭素農法」にこだわり、物資をあまり使用せず、環境に配慮した野菜作りを実践している。凛とした新鮮なホウレンソウは、葉や茎を使いパスタに。素材の味を活かす。

よしむら農園の【ニンジン】

宇都宮市 よしむら農園

Information

〒321-2118
宇都宮市新里町

素材の味の良さをそのままに さまざまな料理へアレンジ

 宇都宮市新里エリアの自然の中、元気よく育ったニンジン。同農園は土壌診断によって、最適な野菜を栽培している。飲食店からの支持も厚い。ニンジンはスープに調理。スライスして炒めたタマネギと合わせ、牛乳で伸ばすことで素材の味を残す。時期によってはムースにするなど、さまざまな形で味わえる。

駒場農園の【サトイモ】

日光市 駒場農園

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日光市岩崎

力強い大地の恵みをカレーで味わう

 昔から有機農法を取り入れ、こだわりの野菜を育てている農園。店主の後輩との縁から仕入れるようになったという。サトイモは、主にカレーに使用している。ルーとは別に茹で、煮崩れしないように下準備。「サンテ」らしい野菜が主役のカレーには、欠かせない存在。時にはプリンにすることも。