TSUNA-GARU-TOCHIGI

食べる・見る・買う…何気ない営みの中にも、実は栃木の良さがいっぱい。生産者、農作物など普段は裏方であるもう一人のヒーローを紐解くことで「人」の繋がりが見えてくる。

2020年7月

岡田ぶどう園 岡田貴志さん


ブドウの品種に適した栽培方法で高品質な商品を

 時は約70年前に遡る。貴志さんの祖父が野菜の生産を営む傍ら、敷地にささやかに植えていた1本のブドウの木。ここから岡田ぶどう園の歴史は始まった。ブドウの生産を本格的に行おうと、2代目園主が栽培規模を拡大。小規模だったブドウ畑は、今や130アールもの敷地で10品種以上を育てるまでになった。近年は、早期成園化・多収・軽労化・土壌病害対策など、たくさんのメリットがあるとされる「盛土式根圏制御栽培」を取り入れ、新しい農法にチャレンジ。ほか、暖房設備を完備したハウスの中では「短梢剪定栽培」を、斜面の土地では昔ながらの「露地栽培」を行うなど、栽培方法が実に多様だ。ハウスと露地で育てる品種の違いを聞いてみると、「昔からある品種は昔ながらの栽培方法で行っています」とのこと。露地栽培は雨ばかりだと黒とう病が発生したり、ハクビシンやアライグマによる被害に遭うこともあり、リスクが多い。そんなときに頼りになるのが、愛犬のベルとレオン。夜間は露地畑で過ごし、野生動物からの被害を守ってくれるそうだ。 
 「岡田さんとは創業当時からのお付き合いをさせていただいてます」と教えてくれたのは、下戸祭にある「下野農園」のブランドマネージャー・玉井育子さん。“こだわりを持って生産された農畜産物を、多くの人に楽しんでもらう”をコンセプトに掲げ、地元食材の持ち味を存分に生かした料理を提供している。今回作ってくれた料理は、8月からのディナーコースのデザートとして考案された季節限定の一品だ。岡田さんが作るブドウの豊潤な味わいは、スイーツのおいしさを一段上に引き上げる立役者となっている。
 この時期限定の料理から、夏を感じてみてはいかがだろうか。

Information

岡田ぶどう園 岡田貴志さん

樹齢20年を超えるぶどうの木。1本の幹から広く伸びた枝にたくさんの果実が。

下野農園

* TSUNA-GU 店

Information

320-0055 栃木県宇都宮市下戸祭2-3-2

電話:
028-678-6593
営業時間:
ランチ/AM11:30〜PM3:00(L.O./PM2:00)
土・日曜・祝日/〜PM4:00(L.O./PM3:00)
ディナー/PM5:30〜PM10:30(L.O./PM10:00)
マルシェ/AM11:30〜PM3:00
休:
月曜(祝日の場合は翌日)
駐車場:
31台

* TSUNA-GU グルメ

ぶどうのサバイヨソース

白ワイン、卵、生クリームなどで甘くまろやかに仕上げたソースがブドウのみずみずしさとおいしさを引き立てる。スタイリッシュな印象を料理に与えるチュイルと楽しんで。夏にしか味わえない一皿。