- “素人集団”が作る驚きの高糖度トマト -
ガソリンスタンドや自動車販売、通信回線販売事業などを手がけてきた「株式会社カキヌマ」。
これまで培ってきた“物を売る技術”に加え、“物を作る技術”にチャレンジすべく、昨年9月から農業に参入した。
作っているのはフルーツトマト『とまおとめ』。
パリッとした皮の中には、甘さと濃いうまみが詰まっている。
平均糖度10度以上、その味わいはまさに“フルーツ”の名にふさわしい。
“第三世代の農法”と呼ばれる「フィルム農法」を採用。
「昨年9月から農業を始めた“素人集団”なので、農業未経験でも安定して高品質の農産物が作れる農法を調べた結果、フィルム農法を採用しました」と語る。
土作りや水やり、根の管理など、経験を必要とする技術が限りなく少ないため、今注目を集めている新しい農法だ。
生活の根幹を成す“食”。
「農業を活性化することで、地域に貢献したい」と、異業種を経験してきたスタッフたちが、日々アイデアを出し合い、情熱を持って真摯に農業に向き合うその姿に、これからの農業の“形”を見た気がした。
カキヌマファームで作られたトマトで美味なる一品を作り上げるのは、宇都宮市の栃木県子ども総合科学館近くに、昨年10月にオープンした「レストラン Humming bird」だ。
トマトを使った料理を試行錯誤した結果、『とまおとめのゼリー』が誕生した。トマト本来の甘さを生かすため、糖分を控えめに仕上げているそうだが、十分な甘みが感じられる。
濃厚なうまみが堪能できる『とまおとめ』は、サラダや料理で大活躍だ。
“食”の世界で地域に貢献したいという情熱が、栃木の食文化を支え、発展させる。料理を味わうとき、そこに込められた作り手の想いも感じてみよう。
● カキヌマファーム
特殊なフィルムを使用した栽培方法を採用。
トマト本来の力を引き出し、甘くてうまみが濃いトマトに仕上がる。