- 手間暇惜しまず愛情注ぐ物作りへの飽くなき挑戦 -
鹿沼市にある根本農園では、黄色、オレンジ、赤、紫、緑とカラーバリエーション豊かなミニトマトを栽培している。
トマト大玉、中玉、ミニと合わせれば、現在9種目を育成。
過去には「ゼブラ柄のトマト」や、「ひょうたん型トマト」の栽培にもチャレンジ。
「ひょうたん型は育つと収穫前に落ちてしまって。味は最高だったんですが」。
興味を持ったら必ずチャレンジするという根本さん。
一筋縄ではいかなかった収穫を懐かしそうに語る姿は、好奇心の旺盛さを感じさせる。
「ドアを作る職人だった」という園主は、結婚を機に妻の実家の家業を継いだ。
「作るものは変わりましたが“人と違うものを作りたい”という想いは変わりません」。
生来の職人気質なのだろう、栽培にかけては土作りから妥協をしない。
作が終わると畑を田にし、マルチで覆い、熱で殺菌消毒。
あらぬかを堆肥にし、ぼかし肥料と合わせて使用するなど、有機栽培に近い状態で作るからこそ食後感がスッキリとした濃厚なトマトが実ると語る。
極限まで水を減らし、甘みが増幅したカラフルトマトはまさに“至高無上の逸品”だ。
同市内に、根本農園のトマトに絶大なる信頼を寄せる店がある。
「ラーメン山いち」では、トマトが収穫される間限定で『冷やしサラダ麺宝石トマトスペシャル』を提供。
色とりどりのミニトマトに魅せられた店主と女将渾身の作だ。
トマトの甘みを引き立て、野菜と平麺によく絡むしょう油ベースの酸っぱいタレを纏った一杯は、これからの季節にピッタリ。
「食べてもらえることが喜び」と作り手は言い、「この食材に出会えたから作る」と料理人は語る。
人と人との繋がりから完成したきらめきの一杯に感謝して、ありがたく頂戴しよう。
● 根本農園
色とりどりの鮮やかなミニトマトがぎっしり入った贈答用の黒箱。
「宝石箱みたい!」と大評判。オリジナルビネガーとタバスコも。