農家紹介
農産直売所「あぜみち」ご提供頂いている農家さんや、あぜみちで取り扱っている季節の野菜を使ってくれているお店のご紹介です。
【市貝町の伝統農法で栽培する夏秋と抑制「こく旨」トマト】
市貝町で代々伝わる作型である、 夏秋トマトと抑制キュウリの交互作。
両親から受け継いだこの栽培 農法で、夏秋トマトの『麗月』を 生産する。
「トマトは夏野菜なのに、 暑さと強すぎる日差しにとても弱いんです」と教えてくれたのは、 同農園代表の関戸孝之さん。
トマトの生育適温は25度から28度。
「地球沸騰化」は人間のみならず トマトにもハードなため、今年から はハウスの屋根に「白の寒冷紗」 を採用。
これまで使用していたシルバーの寒冷紗よりも熱がこもり にくく日除け効果も抜群で、より品質の良いトマトが収穫できるよ うになったそう。
「一度でも味が良くないトマトを作ってしまえば、うちは淘汰されてしまう。
気の抜けた仕事をしてはいけないと、息子と話をしています」と孝之さん。
商品を購入してくれるお客様がどんな商品を求めているかを考えて、 勉強をし続けることが大切と、栽培哲学と技術を聖さんに継承中だ。
その熱意はトマトのうまみへと変わり、私たちの元に届いている。
- 関戸農園代表の父・関戸孝之さんと 後継者の長男・聖さん。
- 甘みと酸味 のバランスが良い大玉トマトの「麗月」。
- 白の寒冷紗を施した雨除けハウス。夏場は夏秋トマトと抑制キュウリを単棟ハウス35棟で栽培する。
- 1つの房に6個~8個の花が咲き、ひ と苗で約50個の実がなる。
- ほんのりと赤く色づいたら収穫どき。
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【手を掛けるほどおいしくなるメロンに注ぐ、精一杯の愛情】
肥料の入れ方、水あげのタイミングなどを一歩間違えると、大きくひび割れしたり、表面の網が太く変形したりと、とにかく繊細な メロン。
「簡単に作れない、というところに魅力を感じます」と笑顔 で語る石下さんは、メロン生産1年目。
「メロンは手をかけるほどお いしくなり、見た目も良くなる。
だからこそ手間をかけて栽培して成長を見守りたい」と果肉に触れる手が、実に穏やかで印象的だ。
石下さんは、高校卒業と同時に滋賀県にある「タキイ研究農場付 属園芸専門学校」へ進学。
2年間農業を学び、3年目からはメロンの知識を深めるため、同社に入職 し研究農場で品種開発に従事した。
昨年、そこで学んだ事を活かそうと、帰郷して就農。
両親が所有しているハウスを譲り受け、メロン栽培を開始。
昨年 12 月に蒔いた種は立派に成長し、今春に収穫の時 期を迎えた。
次の収穫は10月頃。
7月末から種を蒔く予定だ。
果実のおいしさは生産者の愛情 の賜物。
メロン栽培に込められた、作り手の思いも一緒に味わおう。
- メロン栽培1年目の石下琢朗さん (24歳)。
- 赤玉の「クインシーメロ ン」。
ほかにも、「ロイヤルレッド」や 「アースロイヤル」、試作で「グラシア」 などを栽培。
今季は赤玉300個、青玉 300個を生産。 - 竹林の横の高台にあ る立派なハウス。
- 日除けのため、ひ と玉ごとに新聞紙で覆いを被せる。
- 交配時期にハウス内に放すみつばち。
【難題と言われたバナナ栽培で真岡市の新ブランドを目指す】
真岡市江川のほとりにあるハウスの中は、まるで南国。
3メートルの長さになるバナナの葉が生い 茂り、株には「とちおとこ」と名 付いた果実がたわわに実る。
バナナ農園ラフファームを管理するのは、豊田恵介さん、長谷川 優斗さん、佐藤浩映さんの同級生トリオ。
それぞれ別の仕事を持ち、 兼業でバナナを栽培する。
生産し ているのは聞き慣れない「3尺バ ナナ」という品種だ。
「ナスを栽培していたハウスを借りたため、一 般的なバナナの高さ(約8メート ル)では無理でした。
どうするか悩んでいた時に、師匠から「3尺バナナ」を勧めてもらったんです」 と、豊田さん。
おおよそ90センチの高さに果実が実るため、株の高さも味わいの良さも、すべて理想 的だった。
さっそく師匠から苗を譲り受け、栽培開始。
加温無しで越冬を試みたが、あえなく失敗。
2年目はクラウドファンディングで資金調達し、ハウスを加温。無 事冬を越し、今年は豊作だ。
試行錯誤の末の傑作「とちおとこ」は、あぜみち駅東店で販売中。
- バナナ農園ラフファームの豊田恵介 さん。主にマーケティングを担当。長 谷川さんが生産管理、佐藤さんは生産 補助や営業を行う。
- 完熟の「とちお とこ」。
- 株は親株を中心に地下茎で 広がる。株は番号で管理。
- ひと株に 100〜150本実り、ひと房は約20本 になる。
- 雌花がバナナに成長。赤い 雄花序(ゆうかじょ)も食べられる。
【ユリ収穫後の閑散期に作る希少な初夏のトウモロコシ 】
ユリとトウモロコシが同居する、 鹿沼市にある早乙女さんの連棟ハ ウス。
4年前に父親が他界したこ とから、直哉さんは勤めていた会 社を退職し、家業を継ぐ決意をした。
両親が営んでいたのは「テッ ポウユリ」と「スカシユリ」の花卉農家。
しかし、「野菜を育てて みたら」という母の一言をきっか けに、ユリ収穫後の閑散期にトウ モロコシ栽培を始めた。
現在は、 50アールあるユリ畑のハウスの一 部を活用して、トウモロコシやブロッコリーなどを育成している。
2月に種をまき、5月下旬から 8月上旬にかけて順次出荷される トウモロコシ。
商品ラベルの「メイちゃんち」は娘の名前からとっ た愛しいネーミングだ。
農業を始めて良かったと思うのはどんな時 か、との問いに「野菜が得意では ない娘が「パパが作ったトウモロコシはおいしい!」って言っても らえた時ですね」とほほ笑む姿は子煩悩そのもの。
メイちゃんも種まきを手伝うという陽春のトウモ ロコシは、私たちにひと足早い夏 の味わいを届けてくれる。
- 広告制作会社の営業から、家業の道 へと進んだ早乙女直哉さん。
- 大粒で 皮が薄い、スイートコーンの『ゴール ドラッシュ』。
- 2,000粒種をまき、 1,500本ほど収穫。1本でヤングコー ンとトウモロコシが1本ずつ収穫でき る。
- トウモロコシと同じハウスで育⦆ つ「スカシユリ」。
- ヒゲが茶色く乾 燥し、倒れてきたら収穫のサイン。
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【食味の良い品種のみを選び「農福連携」の力で生産】
下野市薬師寺の田園地帯。
6棟 が連なるハウスの中で「ブルーム きゅうり」を生産する若林さん。
2011年3月に前職の営業を退 職し、家業を継ぐことを決断。
両親が管理していた5反のハウスと 100アールの畑は、今では約8 倍の広さに拡大。
現在は東京ドー ム2個分の総敷地面積の畑を持つ。
収穫時期をずらして苗を定植する が、収穫量が増える季節には人員 不足が課題に。
そんな折、障がい者施設から「農福連携」の話を受 けたことをきっかけに、障がいを 持つ人々を積極的にサポートする ことを決意。
繁忙期には大きな戦 力となっている。
「子どもが食べてもおいしい野菜 を作る」をポリシーに、食味の良 さと品質に妥協をしない若林さん。
品種選定を徹底的に行い、有機栽 培で野菜を育てる。おいしさを追求した結果、キュウリは「ブルー ムきゅうり」を選択。
「ブルームレ スきゅうり」より収穫量は減るが、 質は段違いだ。
これからが収穫の最盛期。
店頭で見かけたら、ぜひ味の違いを確かめてみて。
- 株式会社若林ファーム代表・若林克 成さん。キュウリ、ホウレンソウ、カブ、 ピーマン、ニンジンなどを生産する。
- 皮が薄くて、食味が良い「ブルーム きゅうり」。"ブルーム"とは、きゅう り全体を覆う白い粉のこと。
- 自治医 科大学近くの農園。
- 花の根本に小さ いミニキュウリがついた雌花。5夏場 の最盛期には1日2回の収穫を行う。
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【独自の方法で育てる春の味わい山菜「山ウド」】
鹿沼市西部の田園地帯に突然出 現する、トタン板の丸い枠が不規 則に並ぶ渡辺さんの圃場。
「できる だけ山に自生するウドに近い条件 で育てています」という渡辺さん。 ウドは通常、室(むろ)の中の暗 黒下で栽培され、日に当たらない ため茎が白く苦みも強くないが、 渡辺さんのウドは太陽の光をたっ ぷりと浴びて育つため、緑色で山 菜特有のしっかりとした苦みと濃 い香りを持つ。
見た目も味わいも違う野性味あふれる渡辺さんのウドを、毎年楽しみに待つ人も多い。
冬季、ウドの根の周囲をトタン の枠で囲み、もみ殻をたっぷり被せる。
冬を越し春先に発芽、2メ ートルほどに成長する4〜6月に なると収穫が始まる。
「もみ殻の厚 さで芽が出るタイミングが変わる ので、同じ時期に一気に育たない よう厚みを調整しています」。
2年かけて苗を育て3年間収穫し、5 年で苗を入れ替える。
一つひとつが手作業、手間をかけ育てられる春の味が、店頭に並ぶのはもう間もなく。
春の訪れを感じつつ、ありがたく味わいたい。
- 地域の自治会長も務める渡辺さん。 稲作・ウドのほか林業も兼務する。
- スーパーに並ぶウドとは違う濃い緑色 が山ウドの特徴。
- まだ発芽前の苗。 (3月上旬撮影)
- 4カ所10haの圃場が あり、それぞれ収穫時期をずらして苗 を配置している。
- 購入できるのは4 月~6月の限られた期間のみ。お見逃 しなく。(あぜみち全店で購入可)
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【甘み・うまみがたっぷり歴史ある「新里ねぎ」】
宇都宮市の北部、新里町で江戸時代から栽培されてきた「新里ねぎ」。
この地域特有の冬の日夜の寒暖差により強い甘みを持ち、成長途中で横倒しにし曲げるという独特の栽培法で育てられることで、白身の部分が多く柔らかいのが特長。
農林水産省選定のGIに登録されており、組合に所属する16軒の農家のみが生産できる「新里ねぎ」は、高品質で希少なネギだ。
松本さんは、2年前に父から農園を引き継ぎ、他の野菜を栽培しながら新里ねぎの栽培面積を増やしてきた。
「先人が守ってきた歴史ある新里ねぎを絶やしたくないし、もっと多くの人に知ってもらいたい」と話す。
2月に種をまき12月の収穫まで約一年かけ育てる「新里ねぎ」。
在来種ゆえ病気や雑草に弱く手間がかかる上、生産者の高齢化もあり、現在は組合で協力しながら効率化を図り試行錯誤中だ。
さらに松本さんは「首都圏などにも販路を広げられたら」と新たな展開も視野に入れている。
伝統の味を守りながらチャレンジする若い力を応援したい。
- 4.5haの畑でネギのほか、白菜やニ ンジン、小松菜など多種の野菜を栽培。
- 甘みとうまみがたっぷりの新里ねぎ。 じっくり熱を通す鍋料理などにおすす め。
- 曲がりネギは抜くのにコツが必 要。
- 小高い丘の上に広がるネギ畑。
- あぜみち全店のほか、道の駅うつの みやろまんちっく村、地元スーパーの 直売コーナーなどで購入できる。
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【芳醇な香り・甘さ・コク 完熟イチゴは別格の味わい】
みぶハイウェーパークに隣接し、直売はもちろん、壬生町で唯一イチゴ狩りが楽しめると人気の「みぶストロベリーファーム」。
ハイウェーパークに車を停め、歩いてくる客も多いという。
15棟のハウスで栽培するのは「スカイベリー」と「とちあいか」の2品種。
特に「スカイベリー」のイチゴ狩りは、首都圏からの客に人気だ。
さっぱりとした味わいの印象がある「スカイベリー」だが、大粒でゆっくり完熟させたこちらのイチゴは、驚くほど甘くコクがあり、概念を覆される味わい。
「とちあいか」もまた、砂糖がまぶしてあるのでは、と思うほどの甘さを持ち、このイチゴを食べたらほかでは食べられない、と客に言わしめる絶品だ。
「イチゴ狩りは、一度来ておいしくなかったら二度と来てくれない。だから絶対においしくなくちゃダメ」と話すスタッフ。
日々イチゴを観察し、状態に合わせた多種高品質の栄養を与え、薬剤ではなく虫を使った害虫駆除を行うなど、手間や経費が掛かっても決して妥協しない姿勢を貫く。
すべては「一人でも多くの人においしいイチゴを食べてほしい」という想いだけだ。
「ものづくりにゴールはない。もっといいものができるはず、と常に追求しているので、気持ちが休まるときがない」と笑うスタッフ。
その熱い情熱が至高のイチゴを生み出している。
そんなイチゴを絶賛するのは、宇都宮で完全予約販売のスイーツ店を営む印南千明さん。
「ここのイチゴに出会っていなければ、私はケーキを作っていない」と言い、イチゴをふんだんに使ったケーキは「イチゴのおいしさを知ってほしくて作っているようなもの」だと話す。
プロも認めるこのイチゴ、あぜみち各店のほか、直売、みぶハイウェーパークで購入できる。
寒暖差がある1~2月はイチゴが一番おいしい時期だという。イチゴ狩りは5月中旬まで楽しめる。
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【幼なじみ2人で始めたゼロから出発のイチゴ栽培】
保育園からの幼ななじみだという二人。
高校・大学と別の道に進み、一旦は栃木を離れたが「一緒に何かできたら楽しいのでは?」と、卒業後地元に戻り、農業の道を選んだ。
農業の知識も、経験も、土地もないという、まさにゼロからの出発。
そこから二年間イチゴ栽培を学び、佐々木さんはあぜみちのインターンも経験。
今年の春、晴れてスタートを切った。
ハウスの組み立てや高設栽培の設備など、すべて自分たちで手づくり。
何もわからず不安ばかりの日々だったというが、ここまで来られたのは「二人だったから」と口を揃える。
そうして迎えた初収穫。
8棟あるハウスでは「とちあいか」が大きな実をつけている。
ゼロから模索し続けてきたからこそ「何もないところからでも成功できる、という成功事例になりたい」「これから農業をやってみたい若い人たちに自分たちの経験を伝えたい」と、後進の道標になるべくSNSなどでの発信も続けている。
一方で農業から地元を盛り上げていく、というのも二人が取り組むテーマ。
「一昨年から「ゼロからマルシェ」というイベントを地元の方と開催していて、今年は2500人を集めました」。
一つの行動が周囲を巻き込み熱を生み出していく。
二人の行動力は、これから地域を変えていく原動力となるだろう。
そんな二人を見守り応援しているのが日光市にあるフレンチレストラン「ジルエット」の福井慎之助シェフ。
「彼らのイチゴは、瑞々しいので、スイーツはもちろん料理に合う」と、鴨肉と合わせた料理に仕立てる。
「日光には頑張っている生産者がたくさんいるので、その味を多くの人に伝えたい」と話すシェフ。
ともに地元を愛する若い力の相乗効果が、これからの日光を盛り上げていくに違いない。
服に描かれたキャラクターは、佐々木さんが小学生の時に描いた絵だという。
2人の活動は、インスタグラム(@0karanougyou)で発信中なのでチェックしてみて。
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【母の想いを引き継ぐ畑で 夫婦が育てる大根】
定年まで、一般企業で事務職を務めあげた川上さん。
転勤族で何度も居を移したが、最後は母が暮らす那須烏山市に戻った。
幼くして父を亡くした川上さんを、母は米農家として女手一つで育て上げた。
そうした環境もあり、退職後は自然に畑仕事を始めた。
特に農家としてやっていこう、という気構えもなかったという。
「その頃母は90歳を超えていましたがまだ現役で、私が畑をやっているのを見ては指示してましたね」と笑う。
その後お母様は107歳で大往生され、川上さんは畑を引き継ぎ、本格的に農業に参入した。
大根の栽培は春と夏の年2回、暑さに強く総太の「夏の守(かみ)」を育てている。
そして手間はかかるが葉付きで出荷するのが川上さんのこだわりだ。
価格もできるだけ安くしているそう。
「だから全然儲からないんですよ」と笑う。
二人三脚で従事する奥様も「こんなはずじゃなかったんですよ」と言いながら笑顔だ。
利益だけを追求しない、自慢の野菜をたくさん食べてもらいたい、そんな想いが感じられる。
大根以外にも川上さんが育てる野菜は実に多品種。
この時期だけでも、大根・里芋・サツマイモ・人参・カブ・大豆・柿など。
「いつの間にか増えちゃって…」という川上さんに「今後の目標は種類を減らすことね」と奥様。
そんなお二人の素敵な関係が、やわらかく優しい味わいを持つ、川上さんの野菜に現れている気がした。
大根を使った冬の代表料理といえば「おでん」だろう。
宇都宮のおでんの名店「種一本店」では、高さ10センチを超える大きな大根おでんが人気だ。
一つずつ手間を惜しまない、隠し包丁など職人の技が活きる、ここでしか味わえない一品。
日本人でよかったなぁとしみじみ思いつつ頬張りたい。
50mを超える畝が6本ならぶ大根畑。
収穫した大根を水洗いし、きれいにテープ巻きまですべて手作業だ。
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