TSUNA-GARU-TOCHIGI

食べる・見る・買う…何気ない営みの中にも、実は栃木の良さがいっぱい。生産者、農作物など普段は裏方であるもう一人のヒーローを紐解くことで「人」の繋がりが見えてくる。

2017年5月

山野井農園


作っているものは“こだわり”

 今回訪ねたのは、栃木市のトマト農家「山野井農園」。ハウスの中では、一足早く訪れた春の暖かさに次々と色づくトマトたちが出迎えてくれた。「今は一日置きに朝から夜まで収穫。忙しいですね」とはにかむ次男の祥平さん。メインで育てているのはファースト系トマト。しっかりとした果実で、完熟出荷ができる桃太郎トマトに比べ、傷みが早く、未熟なうちに収穫・出荷されるようになり、大切な味がどんどん犠牲にされるようになってしまった品種だ。故に“作りにくい”と一時はほとんど見かけなくなってしまったが、山野井さんはファースト系トマトの生産にこだわり続けた。「おいしいものを作りたい。農家の意地です」
 そう。「山野井農園」で特筆すべきは、自分たちのその“こだわり”を売る、という強い意志。水耕でトマトを生産すれば品質も安定し、大量供給も可能だ。しかし山野井さんは自分たちが手の届く範囲で納得できるものを生産し、自ら販路を開拓する。農業とは工業製品ではなく“作る”から“売る”までが一体となった“モノづくり”なのだと改めて感じさせられる。
 父親の好一さんは自身を“新しい物好き”と表現する。それも“より良いものをどうやって売るか”を最大限に考えているからこそ。そのフロンティアスピリットは祥平さんに確実に継承されている。栃木県の農業の未来は明るい、そんな確信が湧いてくるのだ。

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山野井農園●やまのいのうえん

memo

栃木市でトマトを生産。宇都宮市で山野井農園のこだわりのトマトが買えるのは「あぜみち」だけ!

春の陽気に次々とトマトが赤く色付いていく。

山野井農園のトマト

収穫時期:春〜初夏/夏野菜の代表のイメージがあるが、実は最もおいしく食べられる時期は春から初夏。サラダからデザートまで多彩な調理法で楽しめる。

居酒家食堂なるねこ

* TSUNA-GU 店

Information

〒327-0003 佐野市大橋町993-19

電話:
0283-22-2786
営業時間:
PM5:30〜PM11:00(L.O./PM10:30)
http://naruneco.com/
休:
火曜(ほか不定連休有り)
駐:
有り

* TSUNA-GU グルメ

トマト肉巻フライ

生でもおいしいトマトは火を通すとまた違う味わい!

 果肉がしっかりした山野井農園のトマト。火を通すことで甘みが増し、よりジューシーさが楽しめる同店の名物メニュー。ソースとマヨネーズをたっぷりかけて。揚げたてアツアツなので火傷にはご注意を!

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Shop

栃木県産の【アスパラガス】

 

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健康な土から生まれる栃木県産のアスパラガス

 ビタミンたっぷり、シャキッとした歯ざわりが魅力のアスパラガス。年間を通じて出荷はあるが、栃木県内では主に初夏にかけて最盛期を迎える。同店では丸ごと1本を肉巻フライなどで提供。フレッシュなアスパラガスのみずみずしさ、ジューシーさを豚ばら肉と衣がしっかりと受け止める。

栃木県産の【白米】

 

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ふっくらツヤツヤ!口の中に広がる米のうまみ

 食味ランキングで最高評価の特Aを受賞したコシヒカリ「穂の香」や、なすひかりをはじめとする“おいしさ”が自慢の栃木県産の米。同店は開店当初から栃木県産の米を使用。炊き上がりの光沢を持った美しさ、強い粘りと香りなど、その味わいはまさに栃木県の農産物の代名詞的存在。

県内酒造の【日本酒】

佐野市 第一酒造開華

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食材の味わいを引き立てる個性あふれる日本酒たち

 歴史ある酒造が数多く存在する栃木県。同店では特に県南エリアの酒造の日本酒を数多く取り扱う。写真中央は佐野市にある「第一酒造開華」の代表する特別純米酒(原酒)『みがき竹皮』。ほか小山市の「小林酒造」の『鳳凰美田』、栃木市の「飯沼銘醸」『姿』など個性と魅力を兼ね備えた日本酒をそろえる。