TSUNA-GARU-TOCHIGI

食べる・見る・買う…何気ない営みの中にも、実は栃木の良さがいっぱい。生産者、農作物など普段は裏方であるもう一人のヒーローを紐解くことで「人」の繋がりが見えてくる。

2017年12月

角田 栄さん


一流のキュウリ作りは木を育てることから始まる

 冬の訪れを感じ始めたこの日、温かなハウスの中で、キュウリが可憐な黄色い花を咲かせていた。角田栄さんは60アールという広大な面積で、ほぼ年間を通じてキュウリを生産、出荷している。
 角田さんは農業大学校を卒業後、就農。大学ではメロンの栽培を勉強。「もともと両親がトマトを生産していたんですが、両親と相談してキュウリの生産を始めました。同じウリだと思っていましたが、実際にやってみたら、メロンとキュウリはだいぶ違いましたね」と白い歯を見せて笑う。
 この日見せてもらったハウスでは、キュウリの“実”がなる前の“木”を育てている状態を見ることができた。徹底した温度と水の管理で、しっかりとした木に育て上げる。「あと半月もすれば、この小さなキュウリも出荷できるくらいに大きくなりますよ」
 なるべく農薬を使わずに育てられるよう、“生物農薬”という有害生物の防除に利用される虫を利用しているのも特徴。それもすべておいしくて安全なキュウリを届けるため。一切手間を惜しまない角田さんは、まさにキュウリのエキスパートなのだ。
 そして、宇都宮市内に2店舗を構える居酒屋「亜もん」では、角田さんの作るキュウリを、あぜみちで購入し続けている。「角田さんのキュウリは、弾けるような食感で、瑞々しさが違う。週3〜4回は足を運んで、新鮮なキュウリを買っていますよ。いつでも新鮮なものが並んでいて、実際に目で確認して選べるところが直売所の魅力ですね」と語るのはオーナー大竹さん。
 料理の主役にも名脇役にもなれるキュウリ。シンプルだからこそ、その品質が大きくモノを言う。食のプロに、選ばれ続けている理由があるのだ。

Information

角田 栄さん

memo

年間を通じてキュウリを生産・出荷している、まさにキュウリのエキスパート。

可憐な花をつける小さなキュウリ。これが半月後には出荷できるほど大きく育つ。

ほっこり酒場 亜もん 御幸ヶ原店

* TSUNA-GU 店

Information

321-0982 宇都宮市御幸ヶ原町34-2 コーポ御幸ヶ原1F

電話:
028-666-8323
営業時間:
PM5:00〜深夜0:00
(フードL.O./PM11:30、ドリンクL.O./PM11:45)
(土、日曜、祝前日/〜AM1:00(フードL.O./深夜0:30、
 ドリンクL.O./深夜0:45))
休:
不定休
駐:
有り

* TSUNA-GU グルメ

白身魚のフリット シャキシャキ野菜のタルタルソース

 680円/外はカリカリ、中はふわふわのフリットに、野菜たっぷりのタルタルソースを。大胆にカットされたキュウリが、彩りと楽しい食感をプラス。これもキュウリの新鮮さがなせる業。