TSUNA-GARU-TOCHIGI

食べる・見る・買う…何気ない営みの中にも、実は栃木の良さがいっぱい。生産者、農作物など普段は裏方であるもう一人のヒーローを紐解くことで「人」の繋がりが見えてくる。

2021年9月

直井果樹園 直井 透さん


昭和天皇にも献上された甘くみずみずしい完熟梨

 大正3年創業、宇都宮市の東部に広がるのどかな田園地帯にある直井果樹園。三代目の直井透さんは、妻の光子さんと二人三脚で梨を栽培している。「うちは目が行き届く広さの農園だから、ホルモン剤なども使わず自然のままに育てています」と透さん。ホルモン剤を使うと実は大きく育つが、自然に育った梨とは甘さが違うのだそう。有機肥料100パーセント、除草剤は使わず、草刈り機で刈り取り、刈り取った草は土に帰し肥料としている。農薬も極力使わないため、虫や病気には特に気を遣うそう。「病気などは早く見極めて対処しないといけないので気が抜けない」というが、そこに対応できるのは透さんの長年の経験があるからこそだ。かつては、昭和天皇が那須の御用邸で夏の静養をされるときは、必ず梨を献上していたということからも、その品質の高さがうかがえる。「毎年遠くからわざわざ買いに来てくれる常連さんもいるし、知り合いの梨屋が食べたがるんだよ。だから辞められない」と目を細める透さんを「リアルマリオみたいでしょう?」と笑顔で紹介してくれたのは次女の直美さんだ。現在は農業大学校に通い、農園の敷地の一角でオリーブやカボチャの栽培を行っている。透さん自身が「うちの梨は自分で食べてもおいしい」と胸を張る、愛情たっぷりに育てられた自慢の梨を、ぜひ味わってほしい。
 一方、直美さんは『宮ぴくるす』の製造にも携わる。直井果樹園の梨を使った『梨のぴくるす』は、今年から販売開始される新商品だ。「栃木のおいしい梨をあらたな形で提案したい」と話すCooking & Glow代表の金原 恵美さん。梨の歯ごたえや爽やかな甘みを消さないよう試作を重ねたという。梨の新たな味わいを楽しんでみては。

Information

直井果樹園 直井 透さん

直井果樹園の完熟梨は「あぜみち」上戸祭店・駅東店のほか、果樹園の直売所でも購入できる。毎年ファンが待ち望む味をご賞味あれ。

Cooking & Glow

  

* TSUNA-GU 店  

Information

321-0114 宇都宮市中島町613

電話:
028-612-8650
営業時間:
AM10:00~PM5:00
休:
土・日曜、祝日
駐車場:
2台
URL:

www.facebook.com/cookingandglow/

                

* TSUNA-GU グルメ

梨のぴくるす

梨の味わいとシャリシャリとした食感を残しつつ、爽やかな酢の酸味をまとった梨は未体験の味わい。ピクルス液はソーダで割って飲んでも美味。ほかのフルーツぴくるすと一緒に贈り物にもおすすめ。