TSUNA-GARU-TOCHIGI

食べる・見る・買う…何気ない営みの中にも、実は栃木の良さがいっぱい。生産者、農作物など普段は裏方であるもう一人のヒーローを紐解くことで「人」の繋がりが見えてくる。

106 2023年3月

鹿沼市

渡辺 伸一さん

松本農園

独自の方法で育てる春の味わい山菜「山ウド」

鹿沼市西部の田園地帯に突然出 現する、トタン板の丸い枠が不規 則に並ぶ渡辺さんの圃場。「できる だけ山に自生するウドに近い条件 で育てています」という渡辺さん。 ウドは通常、室(むろ)の中の暗 黒下で栽培され、日に当たらない ため茎が白く苦みも強くないが、 渡辺さんのウドは太陽の光をたっ ぷりと浴びて育つため、緑色で山 菜特有のしっかりとした苦みと濃 い香りを持つ。見た目も味わいも 違う野性味あふれる渡辺さんのウ ドを、毎年楽しみに待つ人も多い。

冬季、ウドの根の周囲をトタン の枠で囲み、もみ殻をたっぷり被 せる。冬を越し春先に発芽、2メ ートルほどに成長する4〜6月に なると収穫が始まる。「もみ殻の厚 さで芽が出るタイミングが変わる ので、同じ時期に一気に育たない よう厚みを調整しています」。2年 かけて苗を育て3年間収穫し、5 年で苗を入れ替える。一つひとつ が手作業、手間をかけ育てられる 春の味が、店頭に並ぶのはもう間 もなく。春の訪れを感じつつ、ありがたく味わいたい。

【豚肉とウドの炒め物】

【材料】2人前

  • ウド 1本
  • 豚肉 100g
  • 塩 小さじ1
  • あらびきコショウ 少々
  • サラダ油 大さじ1

【作り方】

  1. ウドを3 ~ 4㎝に輪切りにし、皮をむいて薄切りにする。
  2. 1を10 分ほど水にさらし、アクを抜く。
  3. 豚肉はひと口大に切る。
  4. フライパンにサラダ油を熱し、豚肉の色が変わるまで炒める。
  5. 水を切ったウドを加え、さらに炒める。
  6. ウドに透明感が出てきたら、塩・コショウを加える。