- 手間暇かけても、おいしいものを作りたい -
宇都宮市東岡本に複数のハウスを構える大久保さん。
ご夫婦、そして奥さんの母親と一緒にアスパラガスの栽培を行っている。
大久保さんは元銀行マン。
農家に転身したきっかけを「結婚後、妻の実家で農業をやるという話しになり、自分も手伝ってみたらおもしろくて」と話す。もちろん、楽しいだけではない。
大久保さんは有機肥料のみを使い、土作りからこだわる。
冬季には、ハウス内の残渣を掻き出して、火で焼いて殺菌を行う。
殺菌剤を使えば簡単に済ませられる行程だが、それではおいしいアスパラガスは作れないという。
外からの病気を遮断するため、靴やハサミは都度洗うなど、細心の注意を払う。
「当然ですが、アスパラガスは生き物です。呼吸もするし、喉も渇く。改めて育てることの難しさを実感します」。
ここまで手間暇かけて育てるのは、アスパラガスを購入してくれるユーザーからの信頼、そして使命感から。
真面目な大久保さんの栽培は、レストランからも高い評価を得ている。
約30度に保たれたハウス内では、青々としたアスパラガスが天に向かって伸びている。
表面の白いブルーム(※)は、新鮮である証し。
大久保さんの太いアスパラガスは、根本までやらかく、自然で豊かな甘みが特徴だ。
※ブルーム…果物や野菜の表面にある白い粉状のもの。
新鮮な果実に見られ、自然に分泌される天然物質。
● 大久保農園/おおくぼのうえん
宇都宮市東岡本でアスパラガス農家を営む。
太くて甘く、「あぜみち」はもちろん、レストランからも高評価。
甘みが凝縮され、ただ茹でるだけでもおいしい。
●「大久保農園」のアスパラガス
旬/春~秋(通年栽培)サラダに入れたり、ソテーしたりと、主役級の存在感がある野菜。グリーンアスパラはミネラルやビタミンCが豊富。