- 真摯に農業に向き合い人に喜ばれる仕事を -
鹿沼街道から少し反れると、通りの喧騒がうそのような田畑風景が広がる宇都宮市飯田町。
ここで安納さんはとちおとめとスカイベリーを生産している。
両親は兼業農家で、もともとは全く別業種の仕事についていたという安納さんだが、いずれは家を継ぎたいと考えていたという。
「実家には土地もある。やりがいがあって人に喜んでもらえる仕事がしたい」と、文字通り“畑違い”の農業に飛び込んだ。
先輩の農家に研修に行きつつ、自らの畑を整備。近所の直売からスタートし、徐々に販路を拡大。今ではあぜみち鹿沼店でも随一のイチゴ生産者だ。
美しい円錐形が特徴のスカイベリー。
安納さんは安定した形とその味が高く評価されている。
この品質を支えるのは、徹底した温度管理。
「相手は自然。思い通りにはいきません。トライ&エラーを繰り返しつつ、流れをつかんできました」と安納さん。
31歳と若いが、顔には経営者の決意がにじむ。
今回は、鹿沼市の人気フレンチ「AN-RIZ-L'EAU(アンリロ)」に安納さんのとちおとめをお届け。
野菜や果物、その本来の持ち味を最大限に引き出すオーナー・上村さんの技は、すでに多くの人が知るところだ。
普段はトマトとアンデスベリーで作るスムージーを、トマトととちおとめで作ってもらった。
ブレンダーにかけると、あっという間に鮮やかなピンク色のスムージーが完成。
口の中にふわりと香るトマトとイチゴの香り、そしてさわやかな甘さ。砂糖は一切加えない、まさに自然の甘さだ。
一番おいしい完熟状態のイチゴが気軽に味わえるのも、身近な場所で真摯に生産に取り組んでいる人がいるからこそ。
ぜひこの機会に、栃木の生産者の仕事に思いをはせてみてほしい。
● 安納いちご園 安納 正人さん
向かって左がスカイベリー、右がとちおとめ。
種の間隔が見分ける際のポイントだとか!