- 作物の生命力を引き出す身体にやさしい野菜作り -
育成に手間をかけ、少量多品目の野菜を無肥料・ 無農薬の“自然栽培”で育てている石川昭男さん。
食育インストラクターの資格を持つ奥様の「人間の身体は食べたものでできている」という台詞に感銘を受け、自然栽培を決意。
以来、自然の力で野菜が元気に育つ方法を徹底的に調べ、良いと感じたやり方を積極的に取り入れ、試みる。
努力の結果がついに実り、自然栽培で作り始めて3年目のオクラがこの夏初出荷を迎える。「大変ですが、できないことはないと自信につながります」
同じく出荷時期を迎えたズッキーニの畑には、ミツバチが現れ始めた。
「薬剤を使用していた時はいなかったのですが、薬剤を使わなくなったら畑に戻ってきてくれて。自然のすごさを体感しています」今では自然界の生物が石川さんの農業を手助けしてくれている。
自信に満ちあふれたその笑顔からは、人にやさしい野菜を作るという強い信念が感じられた。
そんな丹精込めて作られた食材を魅力的な料理に変身させてもらうべく、調理をお願いしたのは宇都宮市の人気店「LAU LAU」の津吹オーナー。
「こだわって作られた野菜は、シンプルな調理法が一番おいしいですよね」素材の“旬”を大切に、持ち味を引き出す手法には一切のごまかしがない。
「バターナッツカボチャは、上側の細い部分と下側の丸い部分の味が異なる興味深い素材。あえて違う味を一皿にまとめたい」と、この食材との出会いを喜ぶ。
「ビオワインの白と合わせると、料理がよりおいしくなりますよ」酒と料理の相乗効果を気軽に楽しんでほしいと語る。
本来の力を引き出された作物のエネルギーは、食べる人にパワーを与えてくれる。
旬の野菜から日々の活力をいただこう。
● 日光あおぞら農園
この日初収穫だった角オクラと赤オクラ。
地面から空に向かって成長するズッキーニ。
少量多品目でさまざまな野菜を生産している。