- 自然と人間が調和する心地よい農業を目指して -
身近に存在する動植物の生態を調査し、自然を守り、伝える活動をするNPO法人「自然史データバンクアニマnet」。
その中の農業・古民家プロジェクト「FROGS」では、米、麦のほか多彩な野菜を栽培している。
夏の日差しが照り付ける中、待っていたのは真っ白なナス『揚げてトルコ』。
「名前の通り、揚げものにぴったりで、ねっとりとした食感が楽しめます」と農業部門長を務める福田さん。
福田さんは子どものころから動物や昆虫が大好き。
自然観察を楽しんでいたという。
ここでは“昆虫博士”として自然学校の講師を務めながら、少量多品目でさまざまな野菜の栽培に取り組む。
目指すのは生き物も人間も安心して食べられる野菜を作ること。
「栽培期間中は無農薬なので、飛び地で栽培することでリスクを分散。花が咲いた、実がなったと言っては喜び…。今はトライ&エラーを繰り返して勉強しながら“自分流”の農業を模索しています」
宇都宮市大谷エリアの注目の新店「OHYA FUN TABLE」では、福田さんたちが育てた白ナスのほか、栃木県産の食材を中心に使用。
宮城県出身の大友オーナーシェフは、妻の出身が宇都宮市、さらに義父が大谷石職人・彫刻家であったことから、大谷の魅力を“食”で発信すべく“見て楽しい、食べて楽しい”レストランを目指し、この店名を付けたという。
栃木県内の魅力的な生産者を知るほど、栃木県産食材に惚れ込みを深めているという。
「この白ナスも料理人として魅力を感じる食材。
火を通すととろける食感になり、味も繊細で上品です」と語る。
魅力的な食材を作る生産者、食材の魅力を引き出し、提供してくれる料理人。
“食”から、地元への理解を深めるのも心躍る経験だ。
● NPO法人 自然史データバンク アニマnet
めずらしい白ナスの品種『揚げてトルコ』。
他のナスのように皮から色が出ないので、料理のバリエーションも広がる!