- “農村の未来”を切り開く敏腕営業マン -
真岡市と鬼怒川をはさんだ対岸に位置する上三川町東汗に農地を持つ藤田農園。
代表の藤田さんは、建築確認業務に従事していた前職の経験により地盤や地形の図面を読み解けることが、農業を営む上で強みになっていると語る。
数百メートル単位で性質の変わる土壌を現在から過去にわたり分析し、最適な作物を導きだすのだ。
鬼怒川の恵である排水性に優れた肥沃な土壌で育まれた藤田農園の新タマネギは、濃い甘みとみずみずしさが特徴。
一般的には春先から流通し始めるイメージの強い新タマネギだが、実は品種や産地によって旬の時期が異なり、“栃木の新タマネギ”は今が旬。
そんな新タマネギを軽トラックに満載して藤田さんが向かうのは首都圏。
高齢化や経済の浮き沈みの影響を受けやすい農村地域に都市部から安定した資金をもたらそうと、自ら市場を開拓し直接販売を行っているのだ。
百貨店や高級レストランのリクエストに応え、市場に出回らない珍しい野菜のオーダー栽培も請け負うほか、メインに生産する米では、“本当に美味しい米”を伝えるべく輸出を視野に動き始めている。
生産だけに留まらず敏腕営業マンのごとく作物の売り込みを行うその姿は、農家のイメージを覆す働きぶり。
“農村の未来”を切り開くべく奔走する藤田さんの頭の中には、栃木の、日本の農業の未来に向けた構想がもうできあがっているようだ。
●藤田農園/ふじたのうえん
電話: 090-4706-58871
タマネギのほか、米(コシヒカリ・アサヒノユメ)、イチゴ(とちおとめ)を主に栽培・出荷。
希少種をはじめとするオーダー野菜のリクエストにも対応している。
上三川町東汗143
大きさ・形はふぞろいでも、甘さ・みずみずしさは“おそろい”。
●藤田農園の新タマネギ
旬/9月に種をまき、11月に苗を移植したタマネギは6~8月に旬を迎える。
生でかじれるほど甘さが濃く、みずみずしいのが特徴。