- チームワークで育む栄養満点な大地の恵み -
朝掘ったばかりのゴボウを選別し、水で洗い、切りそろえていく。
機械化が目覚ましい農作業だが、機械化できない作業もある。
ゴボウの選別もその一つだ。
目で見て、直接触れて、1本1本ていねいに選別していく。
ハードな仕事だが、父、妻、昨年新たに就農した長男との絶妙のチームワークで次々と作業が進んでいく。
開口一番「農業はやりたくなかったんですよ」と、高山洋さん。
農業を営んでいた両親の勧めで農業高校、農業大学校に進学したものの、自動車メーカーの車や部品の開発に欠かせないテストドライバーになったという異色の経歴の持ち主だ。
母の病気をきっかけに帰郷、「農業について、きちんと勉強し始めてまだ5年くらいですよ」と笑うが、言葉の端々に農業、そしてモノづくりへのやりがいと愛を感じることができた。
シャキシャキとした小気味よい歯ごたえ、豊かな香り。
“旬をいただく”魅力が、高山さんたちが作るこの1本に詰まっている。
今回、ゴボウを使った3種類の新しいパンを開発してくれたのは、下野市の人気ベーカリー「ブーランジェリーリール」の荒井オーナー。
その五感をくすぐる、探求心と遊び心が詰まったパンは、パン好きならずとも多くの人が知るところだ。
ゴボウならではの食感を生かしつつ、肉やチーズなどの動物性タンパク質と合わせ、食べ応えがありつつヘルシーなパンを作り上げた。
ゴボウが、酸味やスモークの香りとの相性がいいことに驚く。
組み合わせ次第で、これまで知らなかった新しいゴボウのおいしさが見えてくる。
今まさに旬を迎えているゴボウ。
さまざまな食材との相性もいい。
その独特の魅力を丸ごと享受し、寒さを乗り切る力を蓄えたい。
● 高山ファーム
この日の朝収穫したばかりのゴボウ。
やわらかな土で育つゴボウは、長くまっすぐで、香り高く、食感もやわらかい。