- 若き生産者が挑む新品種の「白いイチゴ」 -
目を輝かせながら「自分のイチゴをつくりたい」と語る篠原さん。
作り手によっても栽培法、味、見た目(葉や実のつき方)に違いがある。
イチゴ栽培も例外ではない。
実家も農業を営んでおり、大学卒業後は地元に戻り、農業の道へと決めていた。
地元に戻るのだから栃木県の特産物を育てたいと、「栃木県農業試験場 いちご研究所」などで研修、現在27歳ながら「Strawberry Farm Go」の代表として栽培に取り組む。
「栃木県農業試験場 いちご研究所」が開発した白い色のイチゴ「ミルキーベリー」。
まろやかな果肉と濃厚な香りと味わいが特徴。
県から親苗を直接購入し、生産開始となった。
「ミルキーベリー」は、「新しいものに挑戦したい」という意欲的な篠原さんにとって絶好の機会。
しかし、課題もある。
売るための市場も自分で確保しなければならないのだ。
それでも、毎日手をかけて育てたイチゴが日に日に実ることが最大の喜びだ。
「今後は規模も拡大し、直売所や加工品もつくりたい」という、若き生産者の挑戦に目が離せない。
「色とりどりのフルーツの中にアクセントで取り入れると面白いですね」。
そう語るのは、宇都宮市にある「スイーツ&ヘアサロンハレノヒ」の代表兼パティシエの葛西さんだ。
県内外の製菓店4店舗で修行を積み、兄と共にこの店を構えた。
一階のスイーツ店は、平日の夕方でも客足が途絶えない。
「イチゴの白さを際立たせるように、フルーツソースを添えるのもいいですね」微笑みを携え、このイチゴの可能性に思いを巡らせていた。
甘さと可憐さを併せ持つ、中まで真っ白な「ミルキーベリー」。
このイチゴがメジャーになる日は、きっと、そう遠くはない。
● Strawberry Farm Go
約20アール、8棟のビニールハウスで栽培するイチゴ。
現在「ミルキーベリー」は200株ほどだが、今後規模も拡大したいという。