- 元料理人が育てる安心でおいしい無農薬野菜 -
以前はフランス料理店のシェフという異色の経歴を持つ齋藤さん。
料理人として食材と向き合う中、規制緩和され、農薬の使用が増えていく日本の農業に危機感を感じたという。
「料理をおいしいと食べてくれる人たちに、自分は安全な食事を提供できているのか?と農業に対する不信感を感じ、自分で野菜を育てようと思うようになりました」。
料理人としてのキャリアを捨て、那須烏山市で有機農業を実践する「帰農志塾」に飛び込み一からノウハウを学んだ。
現在は、5カ所ある畑で、80~90種類の野菜作りに取り組んでいる。
一つひとつ手間暇をかけ育てられる齋藤さんの野菜からは、野菜が本来持つ深い味わいと、大地の力強さが伝わってくる。
それは齋藤さんの「安心でおいしい野菜を食べてほしい」という元料理人としての想いの結晶でもあるのだ。
「野菜作りで大切なのは土。栄養が多すぎてもダメで、微生物とか酸素濃度とかバランスが大事」という。
「土壌の状態は雑草を見ればわかります。うちの雑草は元気でしょ?」と笑うが、その笑顔からは確かな自信を感じる。
「今後は米作りにチャレンジしたい。帰農志塾では、手で苗を植え草を抜く。そうして手間をかけて育てた米は本当においしいんです。日本人の命の源は米ですから、そういう米を育てたいですね」。
齋藤さんが育てる米を食べてみたい、そう思わずにいられない。
そして、開店当時からチャーハンには小松菜を使用するなど、小松菜を使った料理を提供しているのは、宇都宮市の人気中華料理店・小閣樓。
「持ち味のシャキシャキとした食感と独特のエグミがいきる一皿」と矢野オーナー。
小松菜の良さを最大限引き出した料理は、新たな味わいを教えてくれている。
● ビオファーム サイトウ 齋藤 藤男さん
少量多品目栽培の畑では、現在はサニーレタスや小松菜、キャベツなど葉物が最盛期。
ここからブロッコリー・とうもろこし・カボチャと出荷が続いていく。