- 「作ったら終わりというわけではない」 -
真岡市といえば生産量が日本一を誇るイチゴが有名。
今回紹介する豊田さんはその真岡市で、県内でもめずらしいパッションフルーツを栽培している。
豊田さんの父親が、昭和60年頃に蔓延したイチゴの病気を懸念して、次世代の特産品になりうる作物を育てたいとの想いから始めたもの。
イチゴと一緒に栽培でき、ほかの産地と差別化できるものを考え、取り入れた。
その後、品種改良を重ねて日本人の口に合うようにアレンジして生み 出したのが『黄金特大パッションフルーツ』。
通常より大玉で、酸味が抑えられているのが特徴。
そんな父親が作り出した品種を引き継いだ豊田さんだが、就農は突然だったという。
「当時は東京で働いていましたが、父親が急逝して栃木に戻りました」。
亡き父親の想いを受け継ぎ、独学で知識を得て、他県の生産者を訪ねた。
『黄金特大パッションフルーツ』をはじめ通常のパッションフルーツ、ブルーベりー、グァバを育てている。
「自分がやらなければという想いが強かった」と振り返る。
就農早々から挑戦と苦労の連続だが、4年目を迎える今では栽培の傍ら、飲食店との取引はもちろん、自ら加工場を貸りてジュースへの加工も行う。
また、冬場にも収穫できるよう、県内企業と模索している最中だ。
「作ったら終わりではないです。やはり売るところまで考えていかなければと思っています」。
豊田さんの挑戦はまだ続く。
● 亜熱帯農業開発センター/あねったいのうぎょうかいはつせんたー
真岡市。
Facebookで「亜熱帯農業開発センター」で検索。
電話/0285-75-1836
通常より大粒な収穫前の『黄金 特大パッションフルーツ』。
●豊田さんのパッションフルーツ
旬/夏季。
亜熱帯地域を原産とするトケイソウ科の果物。