- 農家として、おいしいものを作ることにこだわる -
宇都宮市下荒針町で梨を栽培する「鈴木梨園」。
今回訪ねたのは同園の3代目となる鈴木建彦さん。
案内してもらった畑には大玉の「にっこり」がたわわに実っていた。
「この畑を含め、7つのうち3つは自分が自由にやらせてもらっています」。
子どもの頃から梨栽培を手伝っていたという建彦さんがこの園に従事するのは自然の流れ。
「ずっと継ぐものとして認識していましたから。でも最初はそう言われたからただ、手伝っているだけでしたけどね」。
学校を卒業後は農業試験場で働きながら就農。
栽培することの喜びを感じる一方で、自然を相手にすることへの難しさを痛感。
「今年は長雨の影響が大きく、苦労しています」。
今年の日照不足はさまざま作物に影響を与えているが、梨も例外ではない。
就農から7年が経過した鈴木さんにとって大きな試練。
しかし落ち込んでいる様子はない。
「この歳でこんな経験ができるのもありがたい。きっと自分の成長の糧になるはず」と前向き。
将来は皆に喜ばれる梨を追及したいそう。
一方で農家であることにこだわりたいと語る。
「売ることも重要ですが、その前にしっかりいいものを作ることはもっと重要。おろそかにできない部分です」。
建彦さんが育てた梨は園で直販も行っている。
ぜひ一度訪れてみては。
● 鈴木梨園/すずきなしえん
住所: 〒321-0985 宇都宮市下荒針町2995
複数品種の梨を栽培。「あぜみち」での販売はもちろん、直接園を訪ね購入することもできる。
建彦さんが担当する畑。大玉のにっこりがたくさん。
●にっこり
収穫時期/10月中旬〜11月中。栃木県生まれの大玉品種。
甘みがあり、水分もたっぷりでジューシー。
大きいもので1キロ以上もある。