- 土づくりにこだわり味よく大粒なイチゴを栽培 -
美しく広がる田園風景の中に建つ8棟のハウスで、とちおとめ・スカイベリー・とちあいかの3種類のイチゴを栽培する坂本さんは、就農前は工場に勤務するサラリーマンだったそう。
「もともと自然の中で育ったこともあり、いつか農業をやりたいと思っていました」。
やるなら生産量全国一のいちごで、と「いちごの里」の研修生に。
その後独立し、今年6年目を迎えた。
農園では「モリンガ・ステビア栽培」を採用。
ビタミンやミネラルが豊富な海藻粉末を水に混ぜ、毎日イチゴに与えている。
こうすることで土の中の微生物が増えて土が活性化、イチゴが本来持つ力を発揮し、元気に育つという。元気な株には大粒で味がよく、ツヤがある美しいイチゴがたくさん実る。
「まだ新しい栽培法なので、これから改良していきたいですね」。
イチゴ栽培は冬~春にかけてのイメージがあるが、実は一年中作業は続く。
3月からは出荷作業とともに苗づくりが、5月にはハウス内を何もない状態に戻し、あらたな畝を立てる作業が始まる。
そんな多忙な日々を「日の出とともに出勤して日が暮れると帰る、一年中忙しいですよ」と笑う。
「工場勤務の安定よりも、自然の中で働くこと、そしてお客様から、おいしいと言ってもらえることが何よりうれしくて、農業を始めてよかったと思っています」と語る坂本さん。
いずれは実家のある栃木市でハウスを増やしていきたいと夢を話してくれた。
そんなイチゴを使ったスイーツを考案してくれたのは宇都宮市の名店「アルページュ」の糸井亮介シェフ。
イチゴをさまざまな調理法で組み合わせた、見ているだけで幸せな気分になれるイチゴ尽くしの特別なスイーツは、要予約で味わうことができる。
● いちご大家族 坂本いちご農園 坂本 幸正さん
イチゴを大きく育てるため、脇の花芽を摘んだり、害虫対策に古い葉を取り除いたり、細かい作業をていねいに行っている。