- 有機農法・有機栽培に沿う 新しい農業の形を目指す -
栃木市北部の自然豊かな場所にあり、栽培期間中は化学農薬、化学肥料を使用しない有機農法に沿った野菜作りを行っている「ぬい農園」。
縫村さんは就農して今年4年目、6面ある畑の土壌改善を行いながら多くの野菜を栽培し、農園に合う野菜を探してきた。
「気づいたら150種類くらいに増えてました(笑)。今後は70~80種類に絞ろうと思っています」。
収穫した野菜は、直売所や飲食店に卸すほか、野菜セットを市内の個人宅へ宅配、また自らジャムなど加工品を製造するなど、さまざまな形で販売している。
そんな縫村さんの目標は、味が良いだけではなく、見た目も美しい野菜を作ること。
農薬を使わない栽培は虫食い対策や除草、害獣対策など課題も多く、まだまだ試行錯誤は続きそうだが、野菜作りは楽しいと話すその表情からは、日々の充実感と、野菜作りへの熱い想いが感じられた。
一方、地域活性化にも積極的に取り組んでいる。
近所の人が集える場所の提供や直売所の開設など、過疎化が進む地域に人を呼ぶ方法を模索中だ。
「飲食店ともつながりつつ、一緒に地域を守っていきたいです」。
農業を通じて地域に変化をもたらせたら、との想いも語ってくれた。
そんな縫村さんの野菜を絶賛するのは『ピッツェリア クッチーナフラテッロ』のオーナー三澤秀樹さん。
「同じ材料で同じ料理を作っても、縫村さんの野菜で作るとワンランク上のできあがりになる。びっくりするおいしさです」と教えてくれた。
「ぬい農園」の野菜はうまみが強く、何もせずそのまま食べるのが一番だそうだ。
地元だから使うのではなく、おいしいから使うという、地産地消の理想的な形を実現する一皿は、今日も多くの笑顔を運んでいる。
● ぬい農園 縫村 啓美(はるみ)さん
手入れの行き届いた畑で、これから旬を迎える大根も成長中。
昨年仲間に加わった農園のマスコット、ヤギの「むぎ」は除草担当。