- 栄養豊富な生キクラゲを那須ブランドで全国に -
那須高原の木立に囲まれた、避暑に最適な立地に佇む“コンテナホテルに滞在”するのは、なんと「生キクラゲ」。
「ものすごくワガママなんです、この子たち」と笑顔で話してくれたのは、昨年から生キクラゲの栽培を始めたという下川明日香さん。
夫の雅紀さんと二人三脚で、「完全無農薬・通年室内栽培」を行う。
コンテナ内は、室温、湿度、紫外線量を徹底管理。
それらのデータはスマートフォンで確認ができるそうだ。
ミストの噴出時間もタイマーで設定。
ハイテクノロジーな技術を随所に取り入れながら、生産を行っている。
「キクラゲは90パーセントが水分のため、“いい水”がたくさん必要なのですが、水が当たるのを嫌うので、世話が大変なんです」。
繊細な特性から、水やりは「一定方向から表面だけに」が鉄則。そして適宜、乾燥も必要だという。
「重なり合うようにして生えるのですが、上側を早く収穫しないと下側が歪になる。本当に“ワガママ”ですよね」。
土壌菌に冒されないよう、手と靴底の消毒も徹底。
“手がかかる子ほど愛おしい”というような、温かな親心で見守り、栽培する姿が印象的だった。
同市内に「旬味酒彩れん」を構え、生ゆばや生ドレッシングの工房も持つ料理長の原田哲典さん。
20年にわたり、都内の料理店や那須の割烹旅館で磨き上げた腕を携え、21年前に自身の店を開店した。
「生キクラゲ」を探し求めていた時に下川さんを紹介されたのが縁の始まりだとか。
「下川さんの商品は歯ごたえが抜群。肉厚で最高です」。
幅広い人脈を生かし、多くの料理人にこの生キクラゲを紹介。
それにより恵まれた数々のつながりに、下川さんも感謝しきりだという。
生キクラゲの絶品料理を味わいに、この夏は那須に足を運ぼう。
● 下川雅紀•下川明日香さん
2コンテナずつ成長速度を変えて育成。
子どもたちも収穫を手伝う。
生キクラゲは美顔用ブラシで丁寧に洗浄。
乾燥は天日で行う。