- ブドウの品種に適した栽培方法で高品質な商品を -
時は約70年前に遡る。
貴志さんの祖父が野菜の生産を営む傍ら、敷地にささやかに植えていた1本のブドウの木。
ここから岡田ぶどう園の歴史は始まった。
ブドウの生産を本格的に行おうと、2代目園主が栽培規模を拡大。
小規模だったブドウ畑は、今や130アールもの敷地で10品種以上を育てるまでになった。
近年は、早期成園化・多収・軽労化・土壌病害対策など、たくさんのメリットがあるとされる「盛土式根圏制御栽培」を取り入れ、新しい農法にチャレンジ。
ほか、暖房設備を完備したハウスの中では「短梢剪定栽培」を、斜面の土地では昔ながらの「露地栽培」を行うなど、栽培方法が実に多様だ。
ハウスと露地で育てる品種の違いを聞いてみると、「昔からある品種は昔ながらの栽培方法で行っています」とのこと。
露地栽培は雨ばかりだと黒とう病が発生したり、ハクビシンやアライグマによる被害に遭うこともあり、リスクが多い。
そんなときに頼りになるのが、愛犬のベルとレオン。
夜間は露地畑で過ごし、野生動物からの被害を守ってくれるそうだ。
「岡田さんとは創業当時からのお付き合いをさせていただいてます」と教えてくれたのは、下戸祭にある「下野農園」のブランドマネージャー・玉井育子さん。
“こだわりを持って生産された農畜産物を、多くの人に楽しんでもらう”をコンセプトに掲げ、地元食材の持ち味を存分に生かした料理を提供している。
今回作ってくれた料理は、8月からのディナーコースのデザートとして考案された季節限定の一品だ。
岡田さんが作るブドウの豊潤な味わいは、スイーツのおいしさを一段上に引き上げる立役者となっている。
この時期限定の料理から、夏を感じてみてはいかがだろうか。
● 岡田ぶどう園 岡田貴志さん
樹齢20年を超えるぶどうの木。
1本の幹から広く伸びた枝にたくさんの果実が。