- 栃木産レンコンの魅力を鮮度とともに届けたい -
栃木県で二軒しかないレンコン農家の一軒、人見農園。
那須高原の麓で、両親、妻・春果さんとともに、レンコンのほか、米やトウモロコシを生産している。
冷たい風が吹き下ろす中、泥の中を手探りで一つずつレンコンを掘り出していく。
過酷な作業にも関わらず、「宝探しみたいですね」と笑う人見さんの笑顔からは、農業を心から楽しんでいることが伝わってくる。
我々が日ごろ目にするレンコンと比べると、真っ白に輝くその姿は驚きの一言だ。
この白さも新鮮だからこそ。自らを“直売所農家”と呼び、「レンコンは鮮度が命」と語る瞬間、目が真剣になる。
この鮮度を届けたい、と多い時には一日数回、近所の直売所にレンコンを届けに行く。
「新鮮なうちにお客さんに届けたいし、おいしい食べ方や保存方法も知ってもらいたいですから」。
真剣に農業に向き合いつつ、人と話すことが好き、という屈託のなさも、愛される理由なのだろう。
「地産地消」をモットーに、県内各地の魅力的な生産者と提携し、その食材の魅力をダイレクトに伝えてくれる人気レストラン「下野農園」では、人見さんのレンコンを使用。
料理として提供するだけではなく、エントランスには「選び方のポイント」「保存方法」など、我々にとってより身近に感じられる情報も掲示している。
生産者と消費者をつなぐ窓口として、生産者のこだわりなど「ストーリー」を届けたいというのがこの店のコンセプト。
各テーブルに配された「ストーリーブック」を見れば、知られざる生産者の想いを知ることができる。
冬に旬を迎えるレンコンは、レストランでも惣菜店でも大活躍。
この変幻自在の魅力、ぜひ実際に味わってみてほしい。
● 人見農園 人見公也さん
栃木県で二軒しかないレンコン農家。
収穫したての鮮度を届けるべく日々奮闘中。
この白さは新鮮さの証!
収穫と同時に水分が抜けていくため、常に水をかけて乾燥を防ぐ。