- 「この農地を守り、いい野菜を届けたい」 -
宇都宮市岩曽町でアスパラガスを育てている佐藤さんは就農から10年を迎える。
元はディーラーマンという経歴。
実家が営んでいた農業。
「漠然と継ぐんだろうなとは思っていました」と話す。
サラリーマンを辞め、農業に従事する際にはじめたのがアスパラガス。
ハウスの中では凛と太く立派に育っている。
取材時の3月頃で1日約10センチ、夏場は1日に約20センチも伸びるというから驚き。
午前の収穫と選定を終えた頃には、また伸びていることもめずらしくない。
「最初に徹底した基盤づくりをすれば、 年経ってもしっかり育ちます。
1〜2年目は株を育てる。安定して収穫ができるのは3年目以降でしょうか。
自分は家が農家だったので、機材などに恵まれていました」。
しかし生産者ならではの苦労も絶えない。今年1月の雪ではハウスが押し潰されてしまったのだ。
当時はハウスを辞めようとも考えたそうだが、ここまで育った苗を無駄にはしたくない。そう考え、取材当日は新たなハウスを再建中だった。
「子どもの頃、農家に対して良い印象はあまりなかったんです。でもこの10年ぐらいで、消費者が野菜に対していろいろ考えて選ぶようになりました。後継者不足もありますが、この農地を守り、これからもいい野菜を届けることはやりがいです」と想いを語ってくれた。
佐藤さんが育てるアスパラガス、これからまさに旬を迎える。
● 佐藤 要/さとうかなめ
宇都宮市岩曽町でアスパラガスを育てる。両親は米・麦を栽培。
アスパラガスは「あぜみち」で購入できる。
太くて長いアスパラガス。青々として甘みが強い。
●佐藤さんのアスパラガス
旬/春先から初夏頃。
ユリ科アスパラガス属の多年草。ハウスで栽培される。