- 地域第一人者として 若き力が桃栽培に尽力 -
大きなハウスが建ち並ぶ2ヘクタールの畑で、梨をメインにさまざまな果物を栽培する生井さん。
一度は農業とは無縁の企業に就職したが、21歳で就農した。
「当初は梨だけだったのですが、10年前から父が桃を始めました」。
芳賀町で桃を栽培する農家はなく、知識ゼロからの出発。
まさに第一人者として親子で取り組んだ。そんな折、父が他界。
わからないことばかりで戸惑う時に助けてくれたのは、父の友人たちだった。
若くして後を継いだ生井さんを支えてくれたという。
「もともと芳賀の農家さんは、大変な時はみんなで乗り越えよう、という仲間意識が強く助けられています」と話す。
そして周囲に支えられながら4年前、ようやく桃の出荷にこぎつけた。
しかしまた難題がふりかかる。
「誰もここで桃が採れるなんて知らないので、販売先がなかったんです」。
そこで取った行動は「桃を持って、ケーキ屋さんを回りました(笑)」。
販売先も自身で切り拓く、そのバイタリティに感服だ。
現在は、ブルーベリーやサクランボなどあらたな果物栽培のほか、ハウス梨の栽培にもチャレンジするなど、精力的に動き続ける生井さん。
「果樹園と名乗っているのだから、父はいろいろな果物を栽培したかったはず」。
父からのバトンをしっかりと受け取り進み続ける。
終始農業を心から楽しんでいることが伝わってくる生井さん。
今後のさらなる活躍を期待したい。
そんな生井さんの飛び込み営業を受け、桃を使った絶品スイーツを生み出したのは「杜のパティスリーぐるまん」の石川 喬シェフ。
「生井さんの桃は名立たる名産地の桃とまったく引けをとらない」と太鼓判を押す。
ケーキ・タルト・ゼリー…この時期限定の桃スイーツ、短い旬を逃さず味わいたい。
● 生井果樹園 〜NAMAI FRUITS GARDEN〜 生井 健斗さん
商品は、あぜみち全店と8月上旬から10月下旬までオープンする直売所(芳賀町給部19-41)で購入可能。
桃は7月下旬までが旬。