- 作り手の声に耳を傾け買い手の心に寄り添う -
9月上旬からのメロン販売に向け、作業もピークを迎えた田島農園。
今日も汗を流しながら、ハウス内で実の育ち具合をチェックする。
メロンの旬は実に短く、彼岸前後には終了。
効率のいい耕作計画を実現するため、メロンとトマトの2品種を生産。
家族と12人のスタッフが一丸となり、有機肥料使用・低農薬栽培による安心安全な栽培生産に励む。
この時期を逃さぬよう毎年のようにメロンを買い求める常連客。
贈答用として贈られた側もそのおいしさを気に入り、遠方からも農園を訪れる。
リピーターが増え続ける評判のメロンを横目に、笑顔で意外な一言を告げる田島仁さん。
「もともと僕はトマトも食べられないし、メロンも苦手。試食以外は食べません」
代々続く農家を継ぐため、運送業から転職して7年目。
自分が食べられないから、人の反応が人一倍気になる。
だからこそ家族やスタッフの声に素直に耳を傾け「おいしいものを食べたい、贈りたい」買い手の心に寄り添うことができる。
究極の“お客様ファースト”が田島さんの強み。
メロンを通じて喜びを届けるため、サラリーマン時代に培ったコーチングを生かし、新たな農業の道筋を開拓している。
完熟メロンを使用した愛らしいタルトを生み出すのは、宇都宮市泉が丘のタルト専門店「タルト&ケーキアリアド」オーナーパティシエール藤澤さん。
旬の果実を味わえるタルトにはファンも多い。
あえて生地を固めに仕上げ、水分を必要以上に染み込ませない。
結果、果汁やクリームの水分が生地に染み込み、フルーツのうまみを余すところなく堪能できる、一体感のあるタルトを作り上げる。
食べる人の笑顔を思い描き、記憶に残る商品を世に送る作り手たち。
その想いも一緒にいただこう。
● 田島仁さん
有機肥料の使用、温度と水質管理を徹底し、平均15~16度の糖度を保持。
「ローラン」「グレース」のほかオリジナルメロンも生産。