- 竹の植栽、観光農場タケノコ農家新たな試み -
凜とした空気が立ちこめる竹林の散策路を歩くだけで、神聖な気持ちになれる不思議な感覚。
「毎日散歩をしますが、何度歩いても気持ちがいいんですよね」と、代表の若山さん。
この竹林を大勢の人に楽しんでもらおうと、約2年前から観光農場を始めた。
「昨年は約4万人の方にご来場いただきました」。
あまたの映画やCMの撮影に使われてきた「若竹の杜」の評判は瞬く間に広まり、多くの観光客をとりこにしている。
この景観の美しさは、100年以上前から続く竹林整備の賜物。
代々続くタケノコ農家として、竹林の土づくりに尽力してきた成果なのだ。
近代的な栗栽培を全国に広めた3代前の当主と、豊洲市場で若山農場のタケノコの地位を確立した2代前の当主の志を受け継ぎながら、現当主の若山さんは竹の植栽や観光農場といった新規事業を展開。
観光農場を始めてからの変化を問うと、「皆さまに喜んでもらいたいと、竹林管理のモチベーションがより高まりました」と微笑んだ。
間引くために伐採した竹はオブジェや遊具のほか、茶屋で提供するための器として活用され、来訪者のもてなしに一役買っているそうだ。
「米ぬかを使ったタケノコの下ごしらえに一石を投じたい」と若山さん。
皮を剥き、たっぷりの水で30分ほど煮立てるだけで十分、と話す。
その意見に同意し、“水だけのアク抜き”を実践するのは、同市内にあるレストラン「クーリ・ルージュ」のオーナーシェフ、石川資弘さんだ。
「タケノコ本来のおいしさがより一層際立ちますよ」と、この下処理方法に太鼓判を押す。
石川シェフが監修した「筍ごはんの友」や「筍ごはんの素」など、手軽にタケノコ料理が楽しめる商品も大好評販売中。
自宅でもプロの味を堪能しよう。
● 若竹の杜 若山農場
自家農場で採れた栗やタケノコの加工品は土産に最適と好評。
孟宗竹林でのタケノコ収穫の様子。