- 一流のキュウリ作りは木を育てることから始まる -
冬の訪れを感じ始めたこの日、温かなハウスの中で、キュウリが可憐な黄色い花を咲かせていた。角田栄さんは60アールという広大な面積で、ほぼ年間を通じてキュウリを生産、出荷している。
角田さんは農業大学校を卒業後、就農。大学ではメロンの栽培を勉強。
「もともと両親がトマトを生産していたんですが、両親と相談してキュウリの生産を始めました。同じウリだと思っていましたが、実際にやってみたら、メロンとキュウリはだいぶ違いましたね」と白い歯を見せて笑う。
この日見せてもらったハウスでは、キュウリの“実”がなる前の“木”を育てている状態を見ることができた。
徹底した温度と水の管理で、しっかりとした木に育て上げる。
「あと半月もすれば、この小さなキュウリも出荷できるくらいに大きくなりますよ」
なるべく農薬を使わずに育てられるよう、“生物農薬”という有害生物の防除に利用される虫を利用しているのも特徴。
それもすべておいしくて安全なキュウリを届けるため。
一切手間を惜しまない角田さんは、まさにキュウリのエキスパートなのだ。
そして、宇都宮市内に2店舗を構える居酒屋「亜もん」では、角田さんの作るキュウリを、あぜみちで購入し続けている。
「角田さんのキュウリは、弾けるような食感で、瑞々しさが違う。週3〜4回は足を運んで、新鮮なキュウリを買っていますよ。いつでも新鮮なものが並んでいて、実際に目で確認して選べるところが直売所の魅力ですね」と語るのはオーナー大竹さん。
料理の主役にも名脇役にもなれるキュウリ。
シンプルだからこそ、その品質が大きくモノを言う。
食のプロに、選ばれ続けている理由があるのだ。
● 角田 栄さん
年間を通じてキュウリを生産・出荷している、まさにキュウリのエキスパート。
可憐な花をつける小さなキュウリ。
これが半月後には出荷できるほど大きく育つ。
● ほっこり酒場 亜もん 御幸ヶ原店