- 生で食べられる野菜を求めて -
宇都宮市北部に畑を持つ宮本さん。
屈託のない笑顔と土の似合う姿からは想像が付かないが、実は元IT企業経営者。
実体のないものを売ることに疑問を抱き、故郷で見つけた生きる幸せが農業だった。
人工的なストレスや、仕事による生活の犠牲と向き合い続けてきたことから、野菜には極力ストレスを与えずに育てようと取り組む。
その傍ら“誰かの犠牲の上に成り立つ農業”からの脱却を目指し、一人ではできない農業という仕事を共にする人々でお互いに助け合い、高めあっていきたいと設立したのが、農業ネットワーク「農人たち」だ。
親戚である先輩農家が試行錯誤を繰り返し、病害虫に悩まされながらも有機肥料100%にこだわって微生物ととも一からゆっくり育んできた土壌。
これを礎に、現在はアスパラガスやニンニク、ネギなどを栽培しているが、この土壌で育つ野菜の出来にはある共通点がある。
やわらかく、甘みがあり、クセがないということだ。
そんな土壌で生まれた「サラダ春菊」。
春菊といえば鍋の具、というイメージとは異なり、生でもおいしく食べられるほどの瑞々しさとクセの少なさが特徴だ。
驚いたことに、品種は一般的に売られている春菊と同じ。
違いを生むのは、長年育まれてきた“土壌が蓄えた力”なのだ。
「農人たち」の畑はまだまだ発展途上。
これからこの土壌でどんな野菜が生まれてくるのか。それもまた楽しみだ。
● のうじんたち/のうじんたち
有機100%製法にこだわり栽培される野菜は、くせがなく食べやすいと評判。www.noujintachi.jp
葉から茎まで丸ごと生食可。「春菊=鍋」というイメージを覆す。
●農人たちのサラダ春菊
旬/冬(通年栽培)
クセが少なく生でも食べられるので、アレンジのバリエーションが広がる。
もちろん鍋に入れてもおいしく食べられる。