- 一つの新聞記事との出会いから生まれた想い -
日光は戦場ヶ原の裏手、男体山の麓に広がる雄大なロケーション。
開拓時代から続く農家として、父・母・娘・息子の家族4人で農業を営む岡﨑家を訪ねる。
実は、開拓時代から続く農家と言ってもその道筋は平坦ではない。
長らく高冷地栽培の大根を中心に近隣の農家数軒と共同で出荷を行っていたが、作物の病気などをきっかけに少しずつその軒数が減っていき、そのうちに共同出荷も途絶えてしまった。
以降は家で食べる分や知り合いに配る分などの野菜づくりを続けていた岡﨑家が、本格的な出荷を再開したのは今年の始め。
24歳になる息子が家に帰り農業を継ぐことになったのだ。
消費者の限られる地元の産直だけでなく、新たな販路として当初検討したのはインターネット通販。
しかし人手やコストの面で二の足を踏んでいた。
そんな時に出会ったのが、あぜみち社長・林氏のインタビューを掲載した新聞記事だった。
今も大事に切り抜きを保管するその記事には、農業を変えていきたい、という林氏の想いが詰まっていた。
それに共感した岡﨑さんは「ここしかない!」とあぜみちへの出荷を決めた。
レタスや大根、キャベツなどを中心に、現在は種ほどの作物を試験的に栽培。
収穫した作物は週に3日、あぜみち上戸祭店まで往復3時間かけて自ら出荷を行っている。
来夏には「なつおとめ」イチゴの栽培にも挑むという。
再び動き始めたばかりの「岡﨑農場」の未来に期待したい。
● 岡﨑農場/おかざきのうじょう
いろは坂の上、日光市戦場ヶ原の高冷地を生かし、さまざまな作物を栽培。主な出荷先はあぜみち上戸祭店。
取材時は雨あがり。露にぬれたサニーレタスが生き生きと輝く。
●サニーレタス
収穫時期は栽培地域によってことなる。
夏は高冷地から、冬は温暖な地域から出荷。
サラダや添え物など広く親しまれている野菜のひとつ。