- 新規就農と農福連携で地域への恩返しを -
さくら市の夫の実家の土地で、シイタケ栽培を行ってきた佐藤さん夫妻。
しかし約11年前、最愛の夫がハウスの中で倒れ、突然この世を去った。
農業未経験の佐藤さんに農業の心得を教えてくれた義母はすでに他界。
義父も夫の死去2年後に病死し、残された農地とシイタケハウスの管理と、幼い子ども4人の世話のすべてを1人で背負うことになる。
あまりのショックに、ハウスに足を運べなくなり、人にハウスを貸し出したこともあるが、借り手が定着しない。
「私がやるしかない!」と一念発起、再びシイタケ栽培と向き合えるようになったのは、夫の死去から7年の歳月が経過していた。
もともと完璧主義、という佐藤さん。
「経営者としてやるからには」と、分からないことは人から教わり、自ら研究も重ねた。
豊かな香り、肉厚でプリッとした食感を併せ持つシイタケは、贈答用にも人気だ。
今は漢方の「霊芝」「山伏茸」も取り扱う。
地域の人のサポートもあり、事業も安定してきたため、新規就農者の採用・育成も始めた。
「今後、障害を持つ方にも働いてもらえるように、環境を整えています。今年11月から就労継続支援A型事業所を開設するので、ご興味のある方お待ちしています!」と笑顔で話す。
従業員の体調と職場環境に人一倍気を配るのは、「健康が一番大切」を、身を持って体験しているから。
“母の愛”で就労者を優しくサポートする。
佐藤さんが栽培するシイタケで『石板焼き』と『野菜の天ぷら』の2品を作ってくれたのは、宇都宮市役所からほど近い場所にある「割烹 伊志佐岐」の料理人・石崎さん。
「肉厚で張りのある立派なシイタケなので、シンプルな調理法が合います」と、食材のうまみを存分に引き出してくれた。
● 株式会社きつれがわファーム
大きさ、肉厚さ、カサの張りが高品質の証。
箱入りは贈答用に最適。
「霊芝」は少量をお湯に入れ、お茶にして飲むのがおすすめ。