- ホウレンソウを通年栽培いつか岩舟ブランドに! -
栃木市内で唯一、通年でホウレンソウを栽培している「いわふね農園」。
樋渡さん一家は、福島県から6年前に岩舟に移住、土づくりや35棟あるハウス・ネットの設置、水路整備など、すべて自力で作り上げてきた。
もみ殻やたい肥を二次発酵した有機肥料を使用、種も時期に合わせ使い分け、地下水から徐鉄するためのフィルターを設置するなど、さまざまな改良を行ってきたが、一番大切なことは「ホウレンソウと話をすること」だという。
「元気ないけどどうした?とか毎日話しかけると、わかることがたくさんある」と話す。
「ハウス栽培は成長速度を調整するのが難しいんです」。
苦労もあるが「野菜嫌いのお子さんが、うちのホウレンソウなら食べる、などと聞くとうれしくて」と笑顔で話す樋渡さん。
いわふね農園のホウレンソウは、愛情をたっぷりに育てられている。
一方ハウスの傍らでは、夏場はカボチャ、冬場はブロッコリーも栽培されている。
福島での農業時代と同じ品種を育てる樋渡さんの中には、変わらない福島愛がある。
「私が育った地区には“岩船”という地名があって“大平山”もある。不思議な縁を感じています」と話す樋渡さん。
第二の故郷・岩舟町のために、若手農家に指導を行い技術を惜しみなく伝えている。
今後は、地元の農家同士で連携しながら、岩舟ブランドを立ち上げるのが目標だ。
そして、同じ岩舟町にあるA5ランク和牛の焼肉専門店「松喜」でも、地元産のホウレンソウやカボチャを使ったメニューを提供している。「岩舟エリアで育てられる食材のおいしさを、お客様に伝えたいです」と、松井オーナー。その日一番のやわらかく脂がのった肉と新鮮な地元野菜、暑い夏を乗り切るパワーチャージに訪れたい。
● 農業生産法人 株式会社 いわふね農園 樋渡 裕一さん
ハウスの中では、時期をずらし栽培されているホウレンソウが常に出荷できる状態で待機。
夏場の暑さ対策には断熱ネットを使用。