- 日本の気候・文化に合う農業としてのワイン造り -
日本の原風景、里山風景が広がる市貝町。
ここで日下篤さんは醸造用ブドウをメインに生産している。
前職では種苗会社に勤めていた日下さん。
野菜に関する知識と経験を積む一方、“農業を営む”ことへの興味が膨らみ、脱サラして就農を決意。
「ワインやジュースなど、多彩な用途があり、世界中にファンがいる加工品の原料。
いいものを作れば、安定した収入が確保でき、生産から加工まで関われる」と、自分が好きなブドウを育てることに決めた。
日本のブドウ一大産地・山梨県で計3年間の修業を積み、今は、マスカットベーリーAなど、数種のブドウとトウモロコシを生産している。
ゆくゆくは農業をベースにしたワイナリー設立を目指す。そのためにもある一定の収穫量を確保しておくことが目下の目標だ。
就農2年目の昨秋に初収穫を行い、44本のワインになった。その醸造を手掛けたのが、足利市にある「Cfa Backyard Winery」だ。「pH、酸度、糖度のバランスがよく、ポテンシャルが高いと思いました」と、醸造家の増子春香さん。
「Cfa Backyard Winery」は、清涼飲料水製造会社「株式会社マルキョー」内に、2012年に設立された小さな醸造所。
全国各地のワイナリー立ち上げに関わってきた知識、経験を活かし、日本独自のワインを醸造。
“温暖湿潤気候帯(Cfa)にある日本”に適応したワインの“在り方”を、足利市から発信している。
日下さん、増子さんは「温暖湿潤な日本で、喜ばれるワインを作る」という共通の目標を持っている。文化としてもまだまだ伸びしろのある日本のワイン。
生産者のひたむきな姿勢と日本の高い技術。
ワイン文化が日本に根付く未来も、そう遠くないのかもしれない。
● Kusaka Vineyards
昨年、初めて収穫したブドウで作ったワイン(非売品)。
今年収穫のブドウからいよいよ本格的に醸造がスタート。
完成が楽しみ!
● 株式会社マルキョー/Cfa Backyard Winery