TSUNA-GARU-TOCHIGI

食べる・見る・買う…何気ない営みの中にも、実は栃木の良さがいっぱい。生産者、農作物など普段は裏方であるもう一人のヒーローを紐解くことで「人」の繋がりが見えてくる。

2015年11月

近江ファーム


「まるで子どものように思っています」

 先代である近江さんの父親が始めたキノコ栽培。当初はナメコ栽培をしていたが徐々にシイタケを栽培へシフトしてゆく。近江さんは電気メーカーに勤めるサラリーマンだったが、32歳で退職。父親に勧められる形でこの仕事に就いた。
「当初は、父に教わればだんだんと分かってくるだろうという軽い気持ちもありました」。しかし、シイタケ栽培の難しさに直面。収穫の半分ほどを占めるC級品は市場に出すことができないのだ。当時は父親の方針もあり、廃棄するしかない状況があった。市場が求める基準を満たさないC級品。形は基準を満たせずとも味はA級品と遜色の無い出来。一定数の“不良品”が出るのは生産上仕方ないにせよ、味に問題の無いシイタケを「売る仕組み」が必要と考えた。そこで近江さんは自らスーパーに赴き、地場野菜コーナーで規格外品の販売を直談判し、新たな市場を開拓したのだった。
 そして現在、栽培に至っては、菌床の状態で買う農家も多い中、菌床づくりから収穫まで、すべて自社で一環して行い、シーズンで約10トン、1日で400パックほどを収穫。季節に合わせて、4種類ほどの品種を育てている。「シイタケを育てているというより、菌を育てているという感じ。まるで子どものように思っています」とそのシイタケに注ぐ愛情を語ってくれた。

Information

近江ファーム●おうみふぁーむ

memo

一度食べた人が「ほかのしいたけはもう食べられない」と語るほどに香り高い、肉厚なしいたけは、「あぜみち」各店でも販売中。
(宇都宮市中岡本町)

そのまま炭火焼にして食べれば、香りや肉厚な身のジューシー感がぜいたくに味わえる。

近江ファームのシイタケ

旬/秋(ハウス栽培なので収穫時期は秋~春)

今回は、等に芳醇な香りと肉厚な傘が特徴の品種を使用。

Patisserie Ts.Nakagawa

* TSUNA-GU 店

Information

〒320-0802宇都宮市江野町3-6

電話:
028-678-8881
PM5:00~深夜0:00(L.O./PM11:30)
http://ts-nakagawa.com/
休:
不定休
※営業時間、定休日は変更となる場合有り

* TSUNA-GU グルメ

シイタケ 380円

素材の良さをシンプルに引き出す

 炉端でシンプルに焼き上げた一品。足付きの状態で提供し、和ダシのスープをまずは味わおう。シイタケは程よい火加減で調理され、香り、味ともに最上の状態で楽しめる。素材の持ち味を存分に堪能しよう。

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Shop

宇都宮酒造の【四季桜】

宇都宮市 宇都宮酒造

Information

〒321-0902
宇都宮市柳田町248

電話:
028-661-0880

宇都宮が誇る老舗酒蔵の酒リーズナブルな価格も魅力

 日本酒は約40種類ものバリエーションをそろえる。その中でも地元のお酒を、と選んだのが明治4年創業の老舗「宇都宮酒造」の『四季桜 今井昌平』。写真の4合瓶の日本酒は一律2,500円でオーダーできる。ほかに同量のワイン、焼酎、果実酒なども同じ金額で頼めるので、気軽にアルコールが楽しめそうだ。

稲見商店 卵工房の【那須御養卵】

大田原市 有限会社 稲見商店

Information

〒324-0018
大田原市上奥沢字上谷地587-2

電話:
0287-22-2421

栃木が誇るブランド卵幅広い料理に活用

 飲食店にとって欠かせない素材の筆頭といえば卵。同店でもこだわりを持ち、『那須御養卵』を使用している。だし巻き玉子や鍋の締めの雑炊やうどんなど、用途も幅広い。コクがあり、濃厚で臭みの無い味なので、どんな料理にも対応。栃木の飲食店御用達のブランド卵として広く認知されている。

あぜみちの【野菜】

宇都宮市あぜみち(上戸祭店)

Information

〒320-0051
宇都宮市上戸祭町3031-3

電話:028-678-9687

シンプルに味わうからこそ新鮮な素材選びが大切

 近江さんのシイタケをはじめ、さまざまな野菜は「あぜみち」からの仕入れが主。季節に合わせた新鮮な素材が手に入るとあって、絶大な信頼を寄せている。これからの時期はしゃぶしゃぶにセリを使ったり、カブを炉端焼で提供したりと、素材そのものの良さをダイレクトに味わうものが登場する。